小学生ビッグバンド「夢色音楽隊」が楽器修理へ挑戦するクラウドファンディング

未来を奏でる子どもたち

仙台市の小学生ビッグバンド「夢色音楽隊」が、楽器の修理やメンテナンスを実施するための寄付型クラウドファンディングを開始しました。これは、子どもたちが音楽を続けるための環境を守り、未来に向けて音をつなぐ重要なプロジェクトです。2025年7月22日から、寄付プラットフォーム「コングラント」を通じて開始され、多くの支持を集めています。

音楽教育の現状

昨今、少子化や教職員の働き方改革の影響で多くの小学校の吹奏楽部が縮小あるいは消滅の危機に直面しています。特に小学校の吹奏楽クラブは、部として存続できない、指導者が不在といった理由から10年間で約30%が消滅している現実があります。楽器演奏自体が行われる機会が減少し、老朽化した楽器のメンテナンスが行き届かず使用不能になるケースも多発しています。

夢色音楽隊の誕生

仙台市立八木山小学校を拠点にする「夢色音楽隊」は、地域移行・外部指導モデルとして注目されています。37名の小学3～6年生から構成されるこのビッグバンドは、ジャズやポップスに挑戦し、音楽を通して地域に活力を与えています。保護者主体で運営され、地域のプロ演奏家による指導のもと、子どもたちは毎日朝練を行いながら音楽の楽しさを実感しています。

朝練の様子

朝練の意義

共働き家庭が増加する中、「朝の孤立」が問題視されています。NHKの報道によれば、親の出勤時間と学校の開門時間が合わず、子どもたちが自宅で一人きりになる状況が続いているとのこと。このような中、夢色音楽隊は朝練を通じて「安心して過ごせる場所」を提供しています。子どもたちは仲間と共に楽器を持ち寄り、共通の目標に向かって努力することで、心身ともに健やかなスタートを切っています。

クラウドファンディングの目的

夢色音楽隊のクラウドファンディングの目的は、使用している42本の楽器のメンテナンスです。見積もりによると、楽器の修理・調整と老朽化した譜面台の購入を含む総額は約70万円必要とされています。これは学校の予算や部費では賄えないため、地域や社会の支援が不可欠です。リターンのない形で寄付を募る今回のプロジェクトは、音楽教育の未来を支える重要な活動と位置づけられています。

楽器の修理状況