HYBEエンターテインメントは、その成長を象徴するように、2024年の年間売上高で過去最高を達成し、2年連続で2兆ウォンを超えるという記録を打ち立てました。2023年には韓国のエンターテインメント企業として初めて2兆ウォンを超え、その流れを継承する形で2024年も驚異の業績を上げています。特に注目すべきは、BTSのメンバーが兵役中にあたるにもかかわらず、HYBE MUSIC GROUPに所属するアーティストたちが様々な分野で目覚ましい活躍を見せている点です。
2024年のHYBEの売上高は、前年と比べると約4%増の2兆2,545億ウォン(約2,357億円)となり、創業以来の最高記録を更新しました。売上の内訳を見てみると、アーティストからの直接の参加型売上は前年より1.8%減少し1兆4,453億ウォンに対し、間接参加型売上は14.5%増加の8,093億ウォンという結果となりました。この中で、直接参加型売上の主要な音源部門が前年比11.3%も減少したにもかかわらず、公演部門が25.6%の大幅な増加を記録することで全体の減少を補いました。これは、パンデミックの終息に伴い、ファンの消費行動がオフラインイベントにシフトしていることが大きな背景要因です。
アルバム販売部門でも、HYBE所属アーティストが韓国の音楽チャート「サークルチャート」において、年間成績シェアを前年の38%から40%へと増加させ、その強さを証明しています。特にSEVENTEENは、2023年に引き続き2024年も累計アルバム販売枚数が1,000万枚を超えるという素晴らしい成果を達成しました。また、TOMORROW X TOGETHERは年間のサークルチャートのトップ10に2作品を送り込み、日本のオリコンランキングにも昨年のアルバム・シングルがすべてトップ30にランクインするなど、その存在感を強めています。ENHYPENやNewJeansもそれぞれの分野で驚異的な販売実績を持ち、K-POPの勢いを感じさせる結果となっています。
音源部門でもHYBEは強力な成績を収めており、グローバルK-POPチャートのトップ20にはHYBEのアーティストの楽曲が15曲もランクインしました。特にBTSのメンバーによるソロ曲や、新たにデビューしたアーティストの楽曲も高評価を得ており、これによりHYBE MUSIC GROUPの強力なコンテンツ競争力が示されています。HYBEはまた、147回のコンサートと25回のファンミーティングを開催し、創立以来の公演売上の最大記録を樹立しました。米ビルボードが発表した「2024年K-POPツアー興行収入トップ10」では、SEVENTEEN、ENHYPEN、TOMORROW X TOGETHERがトップ3を占めており、特に第4四半期の公演売上高は前年の2倍以上を記録しています。
さらに間接参加型売上では、MD(マーチャンダイジング)やライセンシング部門の売上が前年比29.1%も増加し、最盛期を迎えています。HYBEグループのアーティストらが行った大規模ワールドツアーによって、コンサート関連の商品や、各グループのキャラクター商品が幅広い支持を得て、MDの売上が増加しているのです。また、HYBE AMERICAの成果も見逃せません。HYBE AMERICA傘下のアーティストがビルボードチャートで数々の1位を獲得し、さらには新たなアーティストのマネジメント体制の強化を進めています。
ただし、HYBEの2024年度の営業利益は前年比38%減少し、営業利益は1,848億ウォン(約193億円)に留まっている点も気がかりです。その主な理由としては、BTSの兵役による活動停滞や、新人グループのデビューによるアーティスト別売上比率の変化が挙げられます。また、先行投資費用の発生が利益率の低下に寄与しており、特にWeverseや新規事業開発への投資が影響しています。しかし、HYBEは2025年には収益性の改善が見込まれており、BTSのカムバックやアーティストの均等成長、マネジメント体制の強化がその要因とされています。
2024年もHYBEは新たなアーティストプロジェクトをアメリカや日本、ラテンアメリカで展開する予定であり、それによりブランドのさらなる成長が期待されます。これに伴い、HYBEは「マルチホーム・マルチジャンル」戦略を通じて、各地の音楽市場においてリーダーシップを発揮していく方針です。このような挑戦を通じて、HYBEの未来は非常に明るいものとなることでしょう。