BIGCが日本に進出
韓国のエンターテックスタートアップ、BIGCが新たに設立した「ビックジャパン株式会社」により、国内でもK-POPおよびJ-POPの公演事業が本格化します。これは、2月21日から発表された内容で、代表取締役の金基一氏が務めます。
BIGCは、すでに225カ国以上で利用されている国際的なエンターテインメントプラットフォームを展開しており、そのユーザーの約80%が海外のファン、特に日本が15%を占めることから、日本市場への進出は非常に重要だとされています。これに伴い、K-POPで実証されたオールインワンデジタルベニューモデルを日本に合わせた形で現地化し、展開する計画です。
オールインワンデジタルベニューの利点
BIGCが提供するオールインワンデジタルベニューは、世界初のチケット予約、AIによるライブインタラクション、映像OTT、コマース、ファンデータ分析など、オンラインエンターテインメントに必要な機能を全て統合している点が特徴です。このビジネスモデルによって、チェン・ベクシやテミン、INFINITE、さらにはパク・ヒョンシクやチョン・ヘインといった100人以上のアーティストの公演が成功しています。
さらに、昨年からはK-ドラマ俳優のファンミーティングやグローバルストリーミングコンサートの実施に加え、大衆文化全般にわたるサービスも拡充しています。サービス開始からわずか2年で、同社の累積利用者数は250万人を超え、2025年の第1四半期には黒字化も見込まれています。
日本市場における全方位展開
ビックジャパンは、K-POPの公演だけでなく、ファンミーティングや放送コンテンツ、ファンダムプラットフォームなど様々な事業を展開する予定です。東京や大阪を中心に大規模なコンサートの企画・開催を行い、BIGCプラットフォームを活用したリアルタイムのグローバル中継やファンインタラクションを促進していくことを目指しています。さらには、日本の放送局とパートナーシップを結び、コンサートや授賞式の共同制作も視野に入れています。
特に、デジタルライブとマーチャンダイジングを統合したプレミアムモデルや、グローバルに連動したコマースプラットフォームも構築し、さらなる収益化を図る方針です。
視野は日本を超えて
BIGCは、グローバルには約78兆円規模と言われるライブ公演市場へのデジタルシフトを進め、日本においてもその影響を及ぼすことが期待されています。K-POPの成功モデルを基に、日本市場におけるJ-POPアーティストの海外進出をサポートし、オフライン中心のファンクラブや公演、コマース市場のデジタル収益化を進めていく方針です。
「日本市場は約4.5兆円の規模を持ち、BIGCのオールインワンデジタルベニューを通して、K-POPからJ-POPへの展開を進めていく」と、代表のキム・ミヒ氏も強い意気込みを示しています。日本国内のアーティストや日本での公演を、デジタルの力で進化させるストラテジーによって、グローバルファンダムの拡大を目指しています。
この新たな試みが、どのような進展を見せるのか、今後の動向から目が離せません。