新楽器時代の幕開け！竹素材の箏爪が象牙に挑む

再生可能素材の未来と和楽器の可能性

和楽器は日本の文化の宝であり、その音色は多くの人々の心を打ちます。しかし、その一部に使用され続けている象牙が、国際的な保護の対象となっていることをご存じでしょうか。1990年代以降、象牙の国際取引は規制されており、さらに日本国内での販売も制限されています。このため、プロの演奏者たちが象牙の楽器を手に入れるのが難しくなる中、竹を原料にした革新的な代替品が登場しました。それがセルロースナノファイバーを使用した箏爪です。

象牙代替品の開発過程

この新素材は、Sera Creationsという企業が約8年前から取り組んできたプロジェクトの成果です。多くのプロの演奏者や音響研究者が協力し、試作を重ねて、ついに象牙に近い音色を実現しました。音響測定の結果、セルロースナノファイバー製の箏爪は、確かに象牙に似た音を生み出すことが示されました。特に、製品番号4では音響が最も象牙に近く、関係者たちはその結果に喜びました。

「象牙を使わない箏コンサート」と新しい価値観の提案

新しい素材の音色を実際に聴いてもらうために、認定NPO法人野生生物保全論研究会は「象牙を使わない箏コンサート」を開催します。このコンサートでは、象牙製筝爪に近づく音色を持つ新素材の箏爪が披露されるだけでなく、象牙を使わない新たな価値観も提案されるのです。

コンサートの目的

このコンサートには大きく分けて三つの目的があります。まずは新素材の音色を多くの人に体験してもらうこと。次に、象牙製の音色を価値として考え続けるのではなく、新しい文化にシフトしていくことを促すこと。そして、ゾウが生息する地域とのトラディショナルなつながりを意識し、「象牙を使わない」選択が世界の象牙取引禁止への支持になることを示すことです。

コンサートの詳細

このイベントは2025年10月31日、東京ウィメンズプラザホールで開催され、演奏者には日本国内外で活躍するマクイーン時田深山さんと、セネガル出身のダンサーAbdou Bayefallさんが参加します。彼らのパフォーマンスには、日本の確かな伝統と国際的なコラボレーションの融合が見られることでしょう。

チケットは1500円、親子室チケットは小学生以下が無料で、チケット販売サイト「Peatix」で購入できます。コンサート前には、ポッドキャストを使った音声番組の上映や、象牙代替素材を用いた和楽器アイテムの展示なども予定されています。新しい音楽の潮流を感じる機会をお見逃しなく！