Nao’ymtの新曲『檻』が描く雨の世界
日本の音楽シーンでその存在感を示し続けているNao’ymtが、キャリア25周年を祝った『矢的直明2025』プロジェクトの第6弾、最新曲『檻』を6月1日に配信しました。この楽曲は、2020年にリリースされた人気のある『孤島』を彷彿とさせながらも、全く異なる視点から物語を展開しています。
雨に閉ざされた孤独の場所
『檻』の世界観は、雨によって閉ざされた場所が舞台です。『孤島』が持つ「安全でいれば大丈夫」といった包み込みの優しさとは異なり、今作では、どこか置いていかれそうな孤独感や無力感が漂います。現代社会が持つ情報の洪水や急激な変化に疲れた心情が見え隠れし、「我々は雨が止むまでここにいるから、気にせず先に行ってくれ」という言葉には、閉じ込められた不安と、それでもこの場に留まりたいという願いが表現されています。
恋愛における密やかな共犯関係を感じながら、二人の間の静かな愛の物語が雨音とともに描かれているこの楽曲は、Nao’ymt自身が全ての制作に関与し、誇り高く仕上げられました。その細かな表現や奥行き感は、彼の音楽的な成熟度を示しています。
差し込む新しい風
『檻』は、これまでのNao’ymtの楽曲と同様に、独自のスタイルが強く感じられます。彼は作詞、作曲、トラックメイクはもちろん、ボーカルも担当し、マスタリングにはグラミングの名手であるDave Kutchを起用しています。このコラボレーションによって、音楽の全体的な質も一段と上がっていると感じます。
プロジェクトの展望
『矢的直明2025』プロジェクトは、2025年1月から12月までの毎月1日に新曲をリリース予定です。その中で『檻』は第6作目となり、人生とは何かというテーマが常に垣間見える作品に仕上がっています。Nao’ymtの内面的探求と社会との対話がこの楽曲を通じて静かに、しかし力強く響いてきます。
Nao’ymtの今
Nao’ymtは、東京都千代田区出身のアーティストであり、幅広いスタイルで活動を展開してきました。彼は三浦大知や安室奈美恵、AI、山下智久などのアーティストと共演し、日本の音楽に大きな影響を与えてきました。代表作には、四季の音を取り入れたコンセプトアルバム『球体』や、安室奈美恵への数多くの楽曲提供などがあり、その多様性が評価されています。
これからもNao’ymtの音楽表現から目が離せません。彼が描く世界と感情の深さに、今後も注目していきたいと思います。