042ghxst最新シングル『Like Me』が描く西東京HIPHOPのリアル

042ghxst最新シングル『Like Me』の魅力

西東京を拠点に活動するラッパー042ghxstが、最新シングル『Like Me』をリリースしました。この曲は、先月配信されたシングル『WATCH OUT』に続くもので、彼の新たなアルバムからのリードシングルとして位置づけられています。2383年3月にはアルバム全体の公開が予定されているようです。

042ghxstは、特にストリート感あふれる表現力で知られており、今回の『Like Me』でもそれを存分に発揮しています。ダーティーサウスをイメージさせるトラップのサウンドと、彼の生活背景を絡ませたリリックは聴く人々に強い印象を与えます。特筆すべきは、彼のアーティスト名の変化に伴う心境の変化や、東京の現状についての描写も含まれている点です。

042ghxstは、自身の仲間や後輩たちを「スライム」と呼び、彼らと共有する地元・西東京を“Vice Side”や“042”と称しています。この「Vice」という語には、悪徳や不道徳という意味があり、彼らの生き様や地元に対する愛情を象徴しています。リリックを通して、なぜ彼らがこのように呼ぶのかが徐々に明らかになっていく様子は、特に聴く価値があります。

興味深いのは、リリックの中に登場する「ラバーバンド」。これは、札束をゴムで束ねたもので、ゲトーでお金を稼ぐ様子を象徴しているとのこと。042ghxstの歌詞には、ストリートアートやタトゥーカルチャーが盛り上がるトルコのアンカラで、クルド人の彫師によって彫られた新しいタトゥーにまつわるエピソードが描かれています。これにより、彼のライフスタイルの謎めいた一面が垣間見えます。

『Like Me』のタイトルが示す通り、「俺のかわりになれるラッパーは存在しない」「西東京を背負う存在として、俺のようにできる奴は誰もいない」という確固たるメッセージが込められています。この曲は、042ghxstの独自のスタイルが凝縮された作品であり、ぜひとも多くのリスナーに聴いてもらいたい一曲です。