リトアニア現代オペラ『HAVE A GOOD DAY!』の日本初演
ロームシアター京都にて、リトアニアの女性アーティスト3名が手がける現代オペラパフォーマンス『HAVE A GOOD DAY!』が日本初演を迎えます。本作は、2019年にヴェネチア・ビエンナーレで金獅子賞を授与された注目の作品であり、労働と消費、そして人間の存在について深く掘り下げています。
舞台の舞台設定と演出
この作品の舞台は、現代社会の象徴であるスーパーマーケットです。「こんにちは!」「ありがとうございました!」「良い一日を!」といった機械的な言葉を繰り返す10人の店員たちに焦点を当て、彼らの内面を描く光景が展開されます。ミニマルな演出で構成されたこの作品は、消費対象である商品そのものを登場させず、観客の想像力を寄せ付けるような構成となっています。蛍光灯の明滅や商品のスキャン音が鳴り響く中、現代の消費社会が持つ冷ややかさが浮かび上がります。
歌唱とアリアの深層
このオペラの中で歌われるアリアは、現代を生きる私たちの生活を映し出しています。新たな世界に挑む不安を抱える新人の姿や、異国で働く移民の母、異なる日常に追われるシングルマザー、さらには精神的危機に直面した美術批評家のモノローグが、それぞれのドラマを織りなしていきます。一見ただの生活音に聞こえる警備員のピアノが、彼らの言葉を一層切実に響かせるのです。
これにより、我々が普段目を向けない労働や消費の現場が鮮やかに舞台化され、私たちの社会のあり方についての問いを強く突きつけてきます。個々の孤独な呟きが合唱へと昇華する様子は、消費社会への皮肉やユーモアを織り交ぜつつ、観客を包み込みます。
高評価を得る創造者たち
『HAVE A GOOD DAY!』を手がけたのは、リトアニアの女性アーティスト、ヴァイヴァ・グライニテ、リナ・ラペリテ、ルギーレ・バルズジュカイテの3人です。彼女たちは、ドキュメンタリーとフィクション、現実と詩が交わる作品を作り出すことに特別な関心を持ち、パフォーマンスの表現に独自の視点をもたらしています。特に、リナ・ラペリテが作曲と音楽監督を務め、彼女の現代的なアプローチが感じられる楽曲は、観る者に深い感動を与えます。
また、著名なアーティストジョナス・メカスも本作を絶賛し、「小さな傑作」と表現しています。シンプルさとリアリティを兼ね備えた作品として、多くの人々の記憶に残ることでしょう。
公演情報とチケット
この素晴らしい現代オペラパフォーマンスは、2023年9月25日、26日にサウスホールで上演予定です。公演時間は約55分のノンストップで、リトアニア語に日本語・英語字幕がつくため、言語の壁を心配する必要はありません。チケットは一般6,000円、ユース(29歳以下)3,000円、そして18歳以下は1,000円で購入できます。ただし、未就学児の入場は不可となっています。
さらに、託児サービスや車椅子での利用もサポートされるので、多様なニーズに応える体制が整えられています。観劇体験をより楽しむために、是非これらのサービスもご利用ください。
まとめ
リトアニアの現代オペラ『HAVE A GOOD DAY!』は、消費社会の光と影を描き出し、私たち一人ひとりの存在の意味を問いかける貴重な作品です。日本初演のこの機会に、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。アートが生活にどんな影響を与えるのか、その目撃者となることができるでしょう。