「どこからか言葉が」合唱プロジェクトがメセナ認定
詩人・谷川俊太郎氏をしのぶ合唱プロジェクト「どこからか言葉が」が、公益社団法人企業メセナ協議会の2025年度「This is MECENAT」に認定されたことが発表されました。これは、芸術文化を通じて社会の豊かさを目指すメセナ活動が広く評価された結果です。
このプロジェクトは、谷川さんが昨年11月に亡くなったことを受けて発足しました。彼の詩が織り込まれた合唱曲に多くの人々が親しんでいることから、プロジェクトでは谷川さんが過去に書き下ろした詩が使われます。具体的には、朝日新聞に連載された詩をもとに、人気作曲家6人が新たに曲を作ります。これらの楽曲は、2026年3月22日に東京・文京シビックホールで行われるコンサートで初演される予定です。
プロジェクトの詳細
コンサートでは、児童を含む数多くの合唱団による演奏が予定されており、観客も一緒に歌える企画も計画されています。このようにして、多世代にわたる音楽体験が提供されることを目指しています。
新たに作曲するアーティストには、混声合唱曲に新実徳英さんと信長貴富さん、男声用曲に木下牧子さん、女声用曲に瑞慶覧尚子さんと面川倫一さん、児童合唱曲には松本望さんが名を連ねています。各作曲家は、9月末までに楽曲を完成させる予定で、来年3月のコンサートで初めてその音楽が披露されます。
また、谷川俊太郎さんの息子である賢作さんによる詩の朗読も行われ、谷川さんの創作活動や人柄を振り返る貴重な機会となるでしょう。このイベントは、文化的な追悼と未来への希望を込めた内容となるよう企画が進められています。
メセナ活動の重要性
「This is MECENAT」は、企業の芸術文化振興への取り組みを評価し認定する制度です。メセナ活動は、単に芸術を支援するだけでなく、心豊かな社会を作るために多様な分野に貢献しています。全国で展開されるメセナ活動の数々は、地域活性化や社会的課題の解決にも寄与しています。
今回のプロジェクトが成功することで、谷川俊太郎さんの偉業を次世代へと引き継ぎ、合唱を通じて人々を結びつける手助けとなることが期待されます。
コンサートの詳細やチケット情報は、朝日新聞の公式サイトで随時更新される予定です。