奥田民生と吉川晃司が魅せるOoochie Koochieの魅力を深掘りするドキュメンタリー

「Ooochie Koochie」ドキュメンタリー特集

奥田民生と吉川晃司という日本の音楽シーンを代表する二人が結成したユニット、Ooochie Koochie。彼らの全国ツアー舞台裏に密着したドキュメンタリーが、10月25日にWOWOWで放送される。この作品は、武道館公演直後の独占インタビューも含まれており、二人のアーティストとしての姿勢や友情を垣間見ることのできる貴重な内容となっている。

奥田民生は、1987年にロックバンド「ユニコーン」としてデビューし、以降、ソロ活動においても多くの名曲を生み出してきた実力派。対して吉川晃司は、1984年に映画主題歌で鳴り響くデビューを果たし、「COMPLEX」としても成功を収めてきた俳優としても知られる。彼らは年齢も同じ1965年に広島で生まれ育ち、近年は音楽フェスで出会う機会が増え、いつしか親しい関係に。そんな中で意気投合し、新しいユニットを結成する運びとなった。

この「衝撃の合体」が発表されたのは、2023年2月26日。多くのメディアが取り上げるやいなや、SNS上でも話題をさらった。若干の間をおいて、彼らは広島でメディアアピアランスを行い、3曲の配信シングルとフルアルバムを発表。ツアーが始まる前には、広島グリーンアリーナでの初公演を皮切りに、9月11日・12日の武道館公演まで、全7カ所8公演の予定をこなし、各地で熱狂を巻き起こした。

このドキュメンタリーでは、全国ツアーの舞台裏に密着し、普段は見ることのできないリハーサルやミーティングの様子が収められている。奥田はその場のひらめきを大切にし、柔らかな姿勢で場を明るくしながら取り組む。その一方で、吉川は計画的にリハーサルを進め、常に準備万端な姿勢で臨んでいる。対照的な二人のやり取りや、控室でのボケと突っ込みの光景は、見ていてとても微笑ましい。

しかし、このツアー初日には思わぬ事態が待っていた。吉川の喉に問題が生じ、リハーサルを途中で中断し、病院へ急行する事態に。危機的な状況にも関わらず、奥田は冷静さを保ちながらスタッフや吉川を支える姿が印象的であった。幸い、吉川は大事には至らず、初の舞台に立つことができた。番組では、広島公演の模様がノーカットで観ることができ、感情が高まる瞬間を共に体験することができる。

さらに、武道館公演の翌週に行われたインタビューも見逃せない。二人の視点で振り返る濃密な日々を通じて、互いの存在に感謝しながらも、時には冗談を交え、心温まるやり取りを楽しむ二人の姿に癒される。吉川の「恩返しは押し売りにならないように心掛けた」という言葉や、奥田の「LA VIE EN ROSE、いただきました！」という発言は、彼らの人間性を垣間見せる。

この特集は、単なるドキュメンタリーにとどまらず、二人の「これまで」と「これから」を感じさせる大切な映像作品となっている。Ooochie Koochieの由来である「おちこち」という言葉には、過去と未来の架け橋という意味が込められている。ユニットの結成が生んだ大きな化学反応は、今後のソロ活動にも影響を与えることは明らかだ。ぜひ、このドキュメンタリーを通じて、彼らの新たな旅路を見守ってほしい。