沖縄三線文化継承
2025-07-17 11:41:46

沖縄三線文化を未来へ繋ぐプロジェクトがメセナに認定

沖縄三線文化継承プロジェクトがメセナ認定



沖縄の伝統楽器「三線」の文化を守り、次世代に繋ぐことを目的とした「沖縄三線文化継承プロジェクト」が、公益社団法人企業メセナ協議会のメセナ活動「This is MECENAT 2025」に認定されました。これは、企業や団体が社会に貢献する芸術文化振興の一環として、特に評価される活動の証しです。認定日である2025年6月26日は、沖縄三線の歴史に新たな一ページを加えることとなりました。

プロジェクトの概要


このプロジェクトは、沖縄県三線製作事業協同組合や琉球大学、県立芸術大学、県立博物館・美術館、ヤマハ株式会社の五者が協力することで成り立っています。各分野の専門家が集まり、技術と感性を持ち寄りながら、三線に関する様々な課題を解決し、文化の継承を目指しています。このような多角的なアプローチが評価され、「モノ(楽器)」と「ヒト(感性)」をテーマに研究を進める姿勢が特に高く評価されました。

「This is MECENAT」について


「This is MECENAT」は、企業の文化活動や社会貢献を認定する制度で、2014年から始まりました。これにより、企業メセナの意義を広めることを目的としています。認定を受けた活動には、「メセナマーク」が与えられ、このプロジェクトもその一環として位置づけられています。

沖縄三線の文化に対する取り組み


沖縄の三線は、製造や流通において多くの課題を抱えています。国内で生産される職人の手による三線と、海外から流通している安価な三線の競合があり、また職人の後継者不足や材料の枯渇も深刻です。このような背景を受けて、三線組合が中心となり、科学的視点から三線の特性を分析・解明するプロジェクトを開始しました。ヤマハはこの呼びかけに応じ、技術提供やプランニング等でプロジェクトに参加しています。

2025年度の活動計画


今年は、研究の深化と共に、それを社会に実装することが重要視されています。新たなアプローチとして、以下の2つのテーマにフォーカスしていきます。

1. 新素材を用いた三線パーツ製作


ヤマハの技術を用いて、新たな素材によるパーツ製作を試みる予定です。この試みは、材料の持続可能性を確保するだけでなく、職人の技能を伝承する目的も果たします。

2. レクチャーコンサートの開催


プロジェクトの取り組みを広く知ってもらうために、レクチャーコンサートを2026年3月に開催予定です。これは三線や琉球文化の魅力を伝える貴重な機会となり、ヤマハの文化継承への取り組みを発信する場ともなります。

これまでの取り組み


これまでに、ヤマハは主に以下の3つのテーマで研究を進めてきました。これらは、三線の材料確保と製作技術の継承に寄与することを目指しています。

1. 木材の物性調査


三線の主要材料である黒檀の資源は枯渇が進んでおり、代替木材が必要です。沖縄の伝統的な材料に加えて、新しい樹種の評価を行い、有用な材料を探っています。

2. 三線のふるまい可視化


楽器の音や振動に影響を与える仕様を分析する研究を進めています。また職人の製作技能の可視化を図る中で、製作技術の伝承を助ける成果を出しています。

3. 音色の表現語調査


演奏家と職人が共通に使う表現語を収集し、コミュニケーションツールを作成することで、沖縄の伝統文化をより深く理解する手助けをしています。

今後の展望


このプロジェクトを通して得た知見は、ヤマハが社会課題を解決するための手段としても機能することでしょう。沖縄の三線文化の持続的な発展に向けて、今後も様々な取り組みを進めていく所存です。

プロジェクトの詳細については、こちらのリンクを参考にしてください


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