忌野清志郎ROCK‘N’ROLL DREAMERSが描いた音楽の夢
2025年10月の秋、富士山を背景に行われた恒例の野外フェス「朝霧JAM」。そのフィナーレを飾ったのは忌野清志郎ROCK‘N’ROLL DREAMERS。お天気は不安定でも、音楽は大いなる希望を与えてくれる。彼らのパフォーマンスはまさに夢のようで、観客、ミュージシャン、スタッフすべてがその音楽に酔いしれた。
オープニングから魅せる熱気
週末の土曜日、会場に足を運ぶと、雨の影響で湿気が漂う中、午後7時を過ぎてステージへと集うミュージシャンたちが姿を現した。ギタリストの藤井一彦、キーボーディストの伊東ミキオ、ドラマーの宮川剛、そしてベーシストの井上富雄が揃い、ホーンセクションも華やかに彩る。
その瞬間、MCの高橋ROCK ME BABYが黄金のマントを身にまとい、エネルギッシュな登場を果たした。彼の登場が会場の雰囲気を一瞬で熱くし、雨など吹き飛ばす勢いで観客を煽り、期待感を高めた。
オープニングはRCサクセションの「よォーこそ」。観客の心を掴む素晴らしいイントロが流れると、最初のフィーチャリングアーティストが紹介された。松尾レミの代わりに出演した釘屋玄とGLIM SPANKYの亀本寛貴が贈る「ベイビー!逃げるんだ」では、まさにロックンロールの魅力が爆発した。
多彩なラインナップで彩る
次いで、ステージに現れたGO-KING(真心ブラザーズ)が歌う「ぼくとあの娘」も印象的で、ファンにとって思い出深いナンバー。歌声がもたらすメッセージが観客の心を動かし、夜空の下で一体感が生まれる。
そして、バンドのセッションが続き、山口洋と片平里菜が登場。「風に吹かれて」のパフォーマンスが会場を包み込む。戦争や平和のメッセージが心に響く瞬間だった。
豪華なフィナーレが待つ
ショーは進むにつれ、田島貴男(ORIGINAL LOVE)が登場し、「スローバラード」が披露された。この名曲が持つ情感が、雨の中で幻想的な世界を生み出す。
いよいよ、今年40周年を迎えたRED WARRIORSのダイヤモンド☆ユカイが盛り上げる。清志郎の象徴的な楽曲「ドカドカうるさいR&Rバンド」が会場を熱狂の渦に巻き込み、ユカイのパフォーマンスは圧巻だった。
グランドフィナーレに全員が参加
最後に、参加アーティストたちによるセッションが行われ、RCサクセションの「イマジン」が美しいハーモニーで響き渡る。オーディエンスも一体となり、この世界に共鳴する瞬間を楽しんだ。
トリは「雨あがりの夜空に」。年齢も国籍も超えた観客と出演者がひとつになり、まさにフェスティバルの本質を体験できる瞬間だった。大合唱の中、ダイヤモンド☆ユカイは骨折を抱えながらも、そのパフォーマンスからは一切それを感じさせず、まるでロックンロールの精霊そのものであった。
新たな時代の幕開け
このような熱気と情熱が交わるステージは、観客とアーティストの絆を強め、新たなフェスの形を示した。来年はFUJI ROCK FESTIVALでのパフォーマンスにも期待したい。音楽と夢の力がここにあり、私たちに何かを届けてくれる。