地域に根ざす新星オペラ団体「プリンスオペラ」の旗揚げガラコンサート開催決定

新たな才能の発信地、プリンスオペラ誕生

東京都北区に、新しい風を吹き込むオペラ団体が誕生しました。それが「プリンスオペラ」です。この団体は、地域密着型の新しいオペラの形を提案することを目的としており、2025年9月21日には北とぴあつつじホールで初のガラコンサートを開催します。これは、2026年3月に上演予定の旗揚げ公演《プッチーニ作曲歌劇「トスカ」全幕（日本語字幕付き）》に向けた前夜祭とも言えるイベントです。

地域に根ざした新しいオペラの形

「プリンスオペラ」は、北区・王子地区を拠点に、オペラの上演やリハーサルを通じて、地域社会と音楽文化の共育てを意図しています。代表の明珍宏和氏は、地元出身のバリトン歌手で、地域の商店街の変化を目の当たりにし、音楽の力で地域の再生を目指しました。「地域文化のエッセンスを都心や全国に伝える」という使命を胸に、彼らは活動を行っています。

ガラコンサートの内容

このガラコンサートでは、歌劇「トスカ」の魅力や制作過程についてのトークと、オペラの名曲が演奏されます。特に期待されるのは、音楽と物語が高い完成度の「トスカ」が地元で上演されるという試み。地域に住む人々が参加できる合唱や子供の出演もあり、町ぐるみで盛り上がることが狙いです。

ガラコンサートは2部構成で、第1部では演出家の角直之氏と明珍氏が制作の裏話を語ります。第2部では、様々なオペラの名曲が演奏され、聴衆を魅了する予定です。参加予定の曲目には「ラ・ボエーム」や「蝶々夫人」などが含まれ、多様なアリアや重唱が華やかに披露されます。

若手育成に特化したオーディション

「プリンスオペラ」の理念の一つに、若手の声楽家に対する新しいオーディション制度があります。これは、現役の歌手が若手をその場で選出し、役を直接任せるもので、若手カンパニーとしての独自性を発揮しています。彼らは必要な経験と舞台での機会を提供し、地域から新しい才能を届けることを目指しています。

目指すは地域の音楽文化の振興

北区にはこれまで地域に根ざしたオペラ団体が欠けていたため、明珍氏は「地域の音楽文化に新しい風を吹かせたい」という思いからこの団体を設立しました。30歳以下の若手キャストを中心に、他とは異なる特徴を持ち、音楽大学と連携しながら、情報発信や交流の場を創出しています。こうして若手には舞台のチャンスが与えられ、地域の文化と音楽が日常生活の中に浸透することを目指しているのです。

地域から世界へ音楽の輪を広げて

東京の音楽シーンが中心部に偏る中で、北区から世界に発信できるような舞台を創造したいと考えています。将来的には、音楽塾や若手の演出家に対するオーディションを検討しており、地域に密着したオペラオーケストラの創設も視野に入れています。

この新しいオペラ団体は、地域の歴史ある甲冑師の家系に由来しており、長く愛され続ける存在であることを期待しています。これからの活動に大いに注目したいところです。

ガラコンサートの詳細は以下の通りです。ぜひご参加ください！