音の力を活かした新しい広告賞『Spotify Hits Japan 2025』
2025年11月10日、世界中で7億1300万人以上が利用する音楽ストリーミングサービスSpotifyが主催する「Spotify Hits Japan 2025」が開催され、各部門の受賞作品が発表されました。このアワードは、音の力を通じてブランドとユーザーを結びつけるクリエイティブを称え、心を動かす体験を提供することを目的としています。日本では2回目の開催となる本年度は、実績あるキャンペーンを対象とする部門だけでなく、若手クリエイターのアイデアを募集する公募部門も設けられました。
受賞概要とグランプリ作品の魅力
本年度の「Spotify Hits」では、革新的な方法で音声を活用し、ブランド課題を解決したキャンペーンが多数選出されました。中でもグランプリに輝いたのは、ヤマハが広告主となるキャンペーン「#LoveYourMistake」の「Knock Turn」です。この作品では、楽器練習中に起きがちな“ミス”をポジティブに捉え、「ミスを愛そう」というメッセージを届けました。クラシック音楽を好むリスナーをターゲットに、ショパンの《ノクターン Op.9-2》を基にして、42人の演奏データを分析し、新たな楽曲が制作されました。この作品は音声広告における新しい表現の可能性を広げる試みであると言えるでしょう。
部門ごとの受賞作品
Ear Candy部門
ベスト・イマーシブ・オーディオ・キャンペーン部門では、大塚製薬のポカリスエットが受賞しました。サラウンドコマーシャル「円陣」では、バイノーラル録音を利用し、リスナーがまるで円陣の中にいるかのような没入感を体験できます。音だけで感情を動かす新たなアプローチが評価され、ポカリスエットブランドの好感度向上に貢献しました。
Seized the Moment部門
サントリーの金麦が手掛けた「家路言」は、帰宅時間という特別な瞬間を捉え、金麦ブランドの「癒し」を音で表現しました。アレンジされた「蛍の光」と声の演出が、ON/OFFを切り替える感情を見事に描写しています。
For the Fans部門
日本コカ・コーラの「い・ろ・は・す」は、藤井風の楽曲を使って心地よいライフスタイルを提案。Spotifyを通じて音声・動画・プレイリストのマルチフォーマットでブランドとファンが共鳴する体験を構築しました。
Future Hitmakers部門
この部門では、味の素賞に「猫舌クノール 〜聴き終えると、ちょうどいい温度になるプレイリスト〜」、KDDI賞に「一生ものプレイリスト」、Family Mart賞に「フード・ロス市警からのミッション “ファミマの値引き商品を救出せよ”」がそれぞれ留まることなく評価されました。これらの作品は、若者世代に響くクリエイティブなアイデアが詰まっています。
審査体制と今後の展望
「Spotify Hits」の審査には、広告業界や音声・メディアの第一線で活躍するプロフェッショナルが参加しました。総合審査員には、広告会社やクリエイティブプロデューサー、ラッパー、Spotify Japanの戦略担当者が名を連ね、創造性やオーディオ体験の深さを総合的に評価しました。
Spotifyは今後も音のpossibilityと広告のクリエイティビティを融合させ、ブランドとユーザーのより深い関係構築を支援していくとしています。これからの活動や受賞作品が、どのように新たな音声表現を生み出していくのか、ますます目が離せません。
Spotifyの基本情報
Spotifyは2008年にサービスを開始以来、1億曲以上の音楽、700万以上のポッドキャスト、35万以上のオーディオブックを無料で楽しむことができるプラットフォームです。現在、180以上の国と地域に展開し、2億8,100万人の有料会員を含む7億1,300万人のユーザーが利用しています。音楽の楽しみ方を常に進化させ、さらなる音声広告の可能性を探求し続けるSpotifyの動きに、注目です。