ロイヤル・バレエ『白鳥の湖』がもたらす美の世界
ロイヤル・バレエが誇る名作『白鳥の湖』が再び映画館に登場します。特に今回の上映は、王子ジークフリート役を演じるマシュー・ボールと、オデット役を担うヤスミン・ナグディとのコンビネーションがその魅力を一層引き立てています。前作が31年ぶりの新演出によって注目を浴びたことから、今回のアンコール上映は彼らの特殊なパートナーシップから生まれる美を存分に感じられる場となることでしょう。
マシュー・ボールの思い
バレエの中で、王子やヒーローを演じることに取組むマシュー・ボールは、役柄づくりに自身の経験が如何に生かされるかを語っています。彼は、「良い役者は自身の経験を役に注ぐことができる」と語り、この作品の背景や物語にしっかりと根ざしながら演技をしています。しかし、ただの良い子を演じるだけでは物足りないとのことで、マシューはダークで複雑な役を楽しむことも明かしています。彼は次第に深い役柄に魅力を感じ、より自身を反映させる演技を求めています。
その中でも、ロイヤル・バレエでの『オネーギン』のオネーギン役を演じたことは、彼にとってのキャリアの一つのハイライトだったと述べています。「オネーギンのような深いキャラクターを演じることは、この季節の特別な瞬間です」と語る彼の瞳の奥には確かな情熱が宿っています。
インスピレーションの源
マシューは、インスピレーション源として古典的なバレエだけでなく、19世紀末の美術や音楽、そしてアニメやマンガからも影響を受けていると明言しています。その一例として、彼が身に着けている『ワンピース』のTシャツを挙げ、ルフィとゾロのキャラクターたちが持つ一生懸命な姿勢が自らの努力の源になっているとのことです。これは逆に、彼自身が日本でのパフォーマンスにも期待を寄せる理由でもあるのでしょう。
振付の新たな挑戦
マシューは振付家としても活躍しており、パンデミックの期間中に自身の振付作品に取り組む決意を固めたそうです。これまでのキャリアで触れた数々のスタイルから得た経験を活かしながら、時には独自の声を作品に吹き込みたいという情熱があるのです。彼が振り付けた作品『リカレント(Re)Current』では、人生のサイクルをテーマにした内容を描かれ、観客に深いメッセージを届けたいと語っています。観客の反響も良く、その作品を日本で上演することに強く願っています。
日本のファンへ向けたメッセージ
最後にマシューは、日本の観客への感謝の念を伝えています。彼は「日本のお客様のダンスに対する深いリスペクトと愛情は他にはありません」と述べ、その温かい声援がどれほどダンサーたちに力を与えているかを実感しているようです。彼の言葉から、日本でのパフォーマンスへの意気込みと期待が伝わってきます。映画館での『白鳥の湖』上映を通じて、多くの方々にこの美しい作品が届くことを心から願っています。
映画館で観る『白鳥の湖』
ロイヤル・バレエ『白鳥の湖』は5月16日から22日まで、TOHOシネマズにて1週間限定上映されます。クラシック・バレエの美しさと深い物語をぜひその目で体感してください。詳細は公式サイトで確認できます。