箏奏者大川義秋と三琴堂による新しい挑戦
老舗和楽器店「三琴堂」が、SNSで人気の箏奏者・大川義秋氏と共同で新たなプロジェクト「三琴堂筝曲部」を始動します。このプロジェクトは、多くの人々に箏の楽しさを伝えることを目指し、2025年4月25日より始まります。特別講師に迎えられる大川氏は、箏曲界で数々の栄誉を手にしており、全国各地での公演活動を通じてその名を知られています。
新たな試み「部活動」による箏の魅力
「三琴堂筝曲部」の最大の特徴は、従来のレッスン形式を超えた「部活動スタイル」にあります。この部活動では、6名の小グループで構成されており、参加者は仲間と共に合奏を楽しむことができます。大川氏が特別に書き下ろした楽譜を使用し、音楽の技術を向上させるだけでなく、合奏を通じて音の重ねる喜びを重視しています。
箏を演奏する環境に不安を感じる人でも楽しむことができるよう、様々な難易度のパートが用意されており、1/3は箏の演奏未経験者です。これにより、参加者は自分のペースで楽しみながら成長することができます。
大川義秋氏の音楽に対する想い
大川氏は、地元福島で育ち、特に高校時代に箏との運命的な出会いを果たしました。震災の影響で避難生活をする中、箏の美しい響きに魅了され、その音色を通じて多くの人々を癒したいという思いを抱くようになります。その経験が現在の演奏スタイルに大きく影響を与え、多くの人々に音楽の力を伝えたいと強く願っています。
卒業演奏会に向けた成長の場
2026年3月に予定されている卒業演奏会に向け、部員たちは共に悩み、成長する“青春の時間”を過ごします。仲間との合奏を通じて、箏の魅力を深く体験しながら、共生の精神を味わうことができるでしょう。初年度の募集は満員となりましたが、来シーズンの参加を目指す人々に向けて、さらなる機会が設けられる予定です。
ヤミ市ライブでの箏の響き
大川氏は2025年5月17日に横浜・六角橋商店街で開催される「ヤミ市ライブ」にも出演予定です。このイベントは、大川氏の美しい演奏が多くの人々に届けられる特別な機会となるでしょう。入場無料で、誰でも気軽に参加できるこのライブは、箏の音色を直に体験できる貴重なチャンスです。
和楽器の未来を紡ぐ三琴堂
「三琴堂」は創業45年を迎え、和楽器の魅力を伝えるために様々な取り組みを行っています。箏、三味線、尺八などの楽器販売や修理、定期的な演奏会や体験教室を提供し、日本文化を構築する拠点としても機能しています。また、文化体験を通じて地域や海外との交流を深め、和楽器の新たな可能性を模索しています。
今後も「三琴堂」が、和文化体験を提供するハブとしてさらなる発展を目指すことが期待されています。