平原綾香が奏でる希望の音色、第9回Jupiter基金コンサートが開催
2025年4月30日、平原綾香が主催する「平原綾香 Jupiter 基金」の第9回目のチャリティコンサート『My Best Friends Concert 〜顔晴れ[がんばれ]こどもたち〜 with Orchestra』が、東京国際フォーラムで行われました。このコンサートは、平原が音楽を通じて社会貢献や支援を行う目的で設立したJupiter基金の重要なイベントの一つであり、設立から10年を迎える今年、特別な意義が込められています。
音楽の力で届けられるメッセージ
コンサートのオープニングで、平原綾香はオーケストラと共に力強い歌声を披露。観客の心を一瞬にして掴み、その後、指揮者の渡辺俊幸氏や演奏者の紹介が続きました。今回のコンサートでは寄付先が明かされ、視覚以外の感覚を活用した体験型エンターテイメント「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」が選ばれました。この団体は、2025年8月に特別プログラム「ピース・イン・ザ・ダーク」を開催し、多くの子どもたちにその体験を届けることを目指しています。
平原は、自身の父が亡くなった命日に「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」を体験した際のエピソードを語りました。「暗闇の中で父の存在を感じ、心が開く感覚を得た」と話し、そうした経験が寄付を決意するきっかけになったと述べました。空間を通じて、参加者がどのように新たな気づきを得られるか、その重要性が再認識されました。
子どもたちへのエール
公演中、登壇した一般社団法人ダイアローグ・ジャパン・ソサエティの代表志村季世恵さんは、視覚的な障害がある方々の豊かな表現力について言及しました。「日本の子どもたちは孤独を強く感じており、こうした場で多くの人に出会うことで勇気をもらう」と語り、ダイアログの意義を強調。さらに、手話パフォーマーのRIMIも「障害があってもそれぞれの強さやエネルギーは平等」を訴え、観客の心を掴みました。
コンサートの後半では、平原が新曲「虹の向こうへ」を披露。この楽曲は鳥取県の「あいサポート運動」のテーマソングであり、彼女自身が過去の苦しみを乗り越えて未来を見つめる勇気を与えるものになっています。サックス演奏も交えた力強いパフォーマンスに、客席からは温かい拍手が送られました。
暗闇の中での新たな音楽体験
コンサートの後半、特に印象的だったのは「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」の体験再現です。暗闇の中での演奏は、視覚を遮ることで音楽の持つ力そのものに集中する機会を与えました。一つひとつの声や楽器の音に浸りながら、新鮮な感覚で音楽を楽しむことができました。この体験が、参加者の心にどのような影響を与えたのか、感動的な瞬間でした。
未来を見据えて
平原は「多くの方々の優しさが私に降り注いでいるように感じる」と述べ、視聴者の温かい支援に感謝の意を表しました。また、2部の最後には、デビュー22周年を迎える彼女が、辛い時期を経て新たな自分を見つけたことを語り、力強いメッセージと共に「Jupiter」で締めくくりました。
次回のコンサート、すなわち第10回目は2025年6月28日、福岡・久留米シティプラザでの開催が決定しています。平原綾香が描く音楽の未来は、多くの人々に希望を届け続けることでしょう。ぜひ、次のステージにも期待しましょう。