大河ドラマ「豊臣兄弟!」の裏側を描いた新書の登場
12月10日に、NHK出版から黒田基樹氏の最新作『羽柴秀長と藤堂高虎』が発売される。この本は、秀長とその側近である藤堂高虎が、いかにして羽柴政権を支えたのか、その知られざる実像を探る内容となっている。大河ドラマ『豊臣兄弟!』の時代考証者である著者の新たな研究は、歴史の深層に迫る貴重な一冊だ。
秀長と高虎の重要な役割
羽柴秀長は、兄である豊臣秀吉の名代として多くの戦役に従事し、特に毛利や徳川との外交を担っていた。一方、藤堂高虎はその腹心として、天下の統一に向けて俊敏に動いた武将である。二人が果たした役割は単なる補佐にとどまらず、羽柴政権の根幹を支えるものであった。
高虎の成長と出世
著者は、本書で秀長が高虎を家臣にした天正四年から、その後の高虎の動向を追跡している。高虎は21歳で秀長に仕え、彼との関係を深める中で、次第にその家老へと成長していく。秀長の死後、高虎は秀吉から直臣大名として取り立てられ、その後は徳川家康の重用を受けることになる。これは、秀長のもとで培った彼の能力と人脈が大いに寄与していると著者は指摘する。
本書の構成と見どころ
本書は、以下のように構成されている。
1.
はじめに
2.
第一章 誕生から出会い
3.
第二章 活躍と羽柴政権の成立
4.
第三章 戦略と軍事
5.
第四章 政権維持に奔走する二人
6.
第五章 秀長の死と高虎のその後
7.
あとがき
各章では、秀長と高虎の出会いやその活躍、さらには政権の維持に関する詳細な分析が展開されている。特に、軍事や外交における彼らの貢献がどのように天下一統に寄与したのかを深く掘り下げている。
著者について
著者の黒田基樹氏は駿河台大学教授で、1965年に生まれ、早稲田大学教育学部を卒業した。博士号を持つ彼は日本中世史の専門家であり、多数の著作を持つことでも知られている。本書は彼の豊富な経験と知識が詰まった、一読の価値がある作品だ。
商品情報
この新著は新書判として224ページにわたり、定価は1,078円(税込)。学術的な研究書としてだけでなく、歴史ファンにとっても興味深い一冊となること間違いない。興味のある方は、ぜひ手に取ってその内容を確認してほしい。
この本を通じて、豊臣秀吉の時代を生き抜いた二人の武将の真実に迫り、歴史の新たな一面を知る絶好の機会である。