白馬に新たな食と音楽の拠点「High Village HAKUBA」の誕生
白馬の自然あふれる岩岳エリアに、2025年12月21日、新たな交流の拠点となる「High Village HAKUBA」がグランドオープンします。このプロジェクトは、白馬を愛する仲間たちが集い、地域の魅力を再生し、持続可能な観光地づくりを目指すソーシャルベンチャー、株式会社Mountain High Life(MHL)によって進められています。
この新施設は、過去に宿泊施設として使われていた「油屋旅館」がリノベーションされ、食と音楽の要素が融合した全く新しい飲食体験を提供することを目指しています。さらには、宮崎青島の人気レストラン「SANBARCO」をプロデューサーとして迎え、地域住民や観光客が集うコミュニティスペースとしても機能します。
地域の課題と新たな解決策
近年、スキー人口の減少や宿泊施設の老朽化といった課題が深刻となっている白馬岩岳地区では、多様な観光ニーズに対応するため、外食需要を満たすための対策が急務となっています。飲食店の数が限られている中で、訪れた観光客が「夕食難民」となる事例も増加しています。
これに対する解決策として、MHLは2018年から積極的に古民家や民宿のリノベーションを進めており、現在では複数の飲食施設を運営。特に、「庄屋丸八ダイニング」は、築160年以上の古民家を改修し、年間3万人以上の観光客に利用されています。また、宿泊施設も順次拡大し、2025年には稼働率が90%近くに達する見込みです。
音楽と食が交わる場所
「High Village HAKUBA」で特に注目されるのが、音楽と食のコラボレーションです。音楽シーンに精通したミュージックディレクターと、専任エンジニアによる高品質なサウンドシステムが設置され、音楽が食に寄り添う特別な空間が実現されます。食の監修を担うシェフ・大上良輔氏は、様々な国を旅し、独自のメニューを開発。信州産の新鮮な食材を活かし、メキシカンと和の居酒屋文化を組み合わせた独自の料理を提供します。
メニューはバラエティ豊かで、手作りトルティーヤのタコスや、鰹と昆布の出汁が効いた肉豆腐など、地域の魅力を引き出す一品が揃っています。また、各種のクラフトビールやナチュラルワインとも相性抜群な小皿料理も揃え、誰でも気軽に楽しめる雰囲気を醸成しています。
地域コミュニティの拠点に
このプロジェクトの真の目的は、観光客と地元の人々が交わる「旅のリビング」としての機能を果たすことです。四季折々の自然が楽しめる白馬で、音楽と食を通じた新しい物語を創出する場となると期待されています。
White Village HAKUBAのオープニングを楽しみにしつつ、白馬エリアがどのように進化していくのか、今後の展開に注目です。新たな食文化と音楽の交流を通じて、訪れる人々の心を温める場所となることを願っています。