空間を音で彩る!サンゲツと槌屋が新たな取り組みを発表
株式会社サンゲツ(愛知県名古屋市)と株式会社槌屋(愛知県名古屋市)、そのグループ会社の槌屋ティスコは、音とデザインを融合させた新しいインテリア商品「音の出るファブリック」の共同開発に乗り出しました。この革新的なプロジェクトは、2023年11月4日に発表され、今後の空間デザインに大きな影響を与えると期待されています。
音の出るファブリックとは?
「音の出るファブリック」は特殊なフィルムと電極シートを組み合わせた布地で、柔軟性に優れた布状スピーカーの技術を利用しています。これにより、従来のカーテンや椅子生地などのインテリアファブリックに音響機能が加わり、空間デザインと音響演出が融合した新しい体験を提供します。
この布状スピーカーは、布全体に広がる無数の小さな発音体により、特定の場所に音が偏ることなく、均一で臨場感あふれる音響空間を形成します。特に中高音域の再現性が高く、心地よい音を空間全体に届けることが可能です。さらに、長尺の布を設置し、その間を人が通ることで、音が垂直に追随するインタラクティブな演出が可能となり、没入感のある体験が期待されます。
技術の背景と共同開発の意義
この布状スピーカーの技術は、国立研究開発法人産業技術総合研究所によって開発され、槌屋と槌屋ティスコがそのライセンスを取得しています。共同開発により、各社の専門知識を集約し、音の出るファブリックという新たな商品化を目指しています。
サンゲツは、1849年の創業以来、壁装材や床材、ファブリックを通じて快適な空間づくりに取り組んできました。昨今は、豊かな体験価値を提供する「スペースクリエーション企業」に転換を図っており、音が加わることでさらに印象的な空間が生まれることを目指しています。対して、槌屋は高機能ブラシや工業用テキスタイルを製造し、最新技術によるモノづくりを追求しています。
新たな空間価値の創造へ
今回の共同開発は、デザイン性だけでなく、聴覚にも訴えかけるインテリアファブリックの実現を目指しています。サンゲツと槌屋は、互いの強みを生かした共同作業を通じて、音響の新たな可能性を探求し、具体的な商品化や空間提案に向けて進んでいく予定です。音楽や音が持つ力を通じて、より豊かで感性に訴えかける空間を創造する取り組みに期待が高まります。
今後の進展に注目し、音の出るファブリックが私たちの日常にどのように影響を与えるのか、期待が膨らむところです。