アラン・メンケンが紡ぐディズニー音楽の魅力とは

アラン・メンケンの音楽の旅

2025年7月7日、七夕の夜、心温まる音楽のひとときを求める多くの人々が、グランキューブ大阪に集まりました。そう、ディズニーの音楽界の巨星アラン・メンケンのソロコンサート『ホール・ニュー・ワールド・オブ・アラン・メンケン』を観るためです。アラン・メンケンは、数々の名作映画やミュージカルの作曲を手掛けた著名な作曲家であり、彼の音楽は世界中の人々に愛されています。この夜、彼は自身の楽曲と共に、その歩みを語り、観客に感動を届けました。

コンサートのスタートを飾ったのは、彼のキーボードと共に、ひときわ愛らしい挨拶でした。「こんばんは！暑いね！」と、日本語で笑顔で語りかけるアラン。その瞬間から、彼の魅力に会場は包まれます。

映像と音楽が織りなす演出

コンサートは、シンプルながら効果的な演出が施されています。演奏される楽曲の背後には、彼のオフィスや数々の受賞歴を伝える映像が流れ、観客は視覚でも楽しむことができました。第一部は、彼が11歳で創作した「Can’t Bring Back the Past」という楽曲から始まり、当時の思い出を振り返る中で観客の笑いを誘います。

彼の愛する妻であるジャニスの映像も登場し、彼らの愛の物語が語られました。アランは「人生を変える出会いがあった」と語り、友人であり作詞家のハワード・アッシュマンへの感謝を表します。彼との出会いは、メンケンの音楽人生にとって忘れられないものになっています。

第一部での驚きは、ディズニーの名作『美女と野獣』の制作裏話や、当時の録音音源が披露されたことです。アランは、彼らがどのようにしてメロディを作り上げていったのか、思い出を交えながら語ります。彼のピアノの弾き語りとともに、会場は静まり返り、観客はその曲に浸っていました。

日本との特別な絆

観客は大きな感動に包まれたまま、アランは日本との特別な思い出を語ります。初来日から34年が経ち、日本を愛する気持ちを情熱的に伝えました。「礼儀正しさ、美しさ、歴史、そして……チップがいらない！どれほど日本が大好きか！」と、彼は日本への愛情を惜しみなく表現しました。このコンサートでの再会は19回目ということで、彼の長い日本との関わりを伺い知ることができます。

新たな挑戦と深い思索

第二部では、アランが新しい出発を語り、彼が初めて作ったディズニーソング「A Whole New World」を紹介します。この曲が彼を新たな舞台へと導いたことが語られ、未だに新たな曲を書くたびに「何もかも初めて」という感覚があるという言葉が印象的でした。彼は仲間を失った悲しみ、そして未来へ進む決意を抱えていることを伝えます。

さらに、共作の機会が限られていた作詞家たちとのコラボレーション楽曲も披露。会場は驚きや感動の連続で、アランの一言一句が新たな視点を与えてくれることに感謝の声が上がりました。

最後のメッセージと共に

アンコールでは「Compass of Your Heart」を演奏し、天候のように静かに響くメロディが会場を包み込みます。終了後、拍手が鳴りやまない中、「アツいね！」と彼が再び登場しました。この空間での体験は、彼の音楽の軌跡を辿る素晴らしい機会となり、アラン・メンケンという偉大なアーティストに再び感謝する瞬間となったのです。

一夜限りの贅沢な体験を共有した聴衆は、アランが作り出す楽曲たちを通じて、心に残るメッセージを胸に抱いて帰路につきませんでした。彼の音楽は、まさに星のように、ひとつひとつが特別な輝きを持っています。次回またアランに会える日を心待ちにしつつ、その魔法のような夜は幕を下ろしました。