ヤマハとOverseas Tradersがインドローズウッドの保全に向けた連携を開始

ヤマハとOverseas Tradersがインドローズウッドの持続的な森林保全に向けた協力を開始

ヤマハ株式会社は、インドの製材業者Overseas Tradersと連携し、インドローズウッドの持続的な森林保全と管理を目指す協定を締結しました。この取り組みは、持続可能なサプライチェーンの確立を通じて、今後の楽器製造における木材の継続的な利用を支えるものです。

インドローズウッドと楽器製造

インドローズウッドは、アコースティックギターの側板や裏板として重要な役割を果たしています。この木材は、インド南部に自生する木の一種で、特に高品質の楽器に使用されています。しかし、近年、森林からの伐採が進む中で、インドローズウッドの資源は減少しており、これを持続可能に管理することが急務となっています。

ヤマハでは「おとの森」というプロジェクトを通じて、地域社会と協力しながら循環型の森林づくりに取り組んでいます。このプロジェクトの一環として、インド南部のカルナータカ州では、インドローズウッドの生育状況の調査が始まりました。これにより、木材の持続的な利用と生態系の保全を同時に目指すものです。

協働の背景と目的

当社は、楽器製造において多様な木材を活用してきましたが、その供給源の持続可能性が懸念されています。これを踏まえて、ヤマハとOverseas Tradersの連携は重要です。双方の技術と知識を結集することで、地域の生態系を守りつつ、インドローズウッドの資源が次世代へと引き継がれることを目指しています。

Overseas Tradersは、カルナータカ州フブリ市に本拠を置き、インドローズウッドの伐採や製材を行う企業で、インド国内外の市場において長い歴史を有しています。Overseas TradersのマネージングパートナーであるAnkit Yogi氏は、持続可能な木材利用を実現するためのパートナーシップの重要性を強調し、森林の保全が未来の楽器づくりの鍵になると述べています。

具体的な取り組み

今後3年間にわたり、ヤマハとOverseas Tradersは、現地の研究機関や政府と連携して植林試験や資材利用効率の検証を行います。これらの取り組みを通じて、インドローズウッドの持続的な保全方法を科学的に検証し、業界に新たなエコシステムを築くことを目指しています。

加えて、ヤマハが展開する「おとの森活動」の一環として、地域社会との協力体制を強化し、持続可能な生活環境の実現に向けた努力を進めていきます。未来の楽器製造における木材利用は、環境への責任と技術的な革新によって支えられていくでしょう。