横浜みなとみらいホールでのオルガン協奏曲初演
横浜みなとみらいホールでは、2025年11月1日(土曜日)午後2時から特別なオルガン演奏会が開催され、阿部加奈子が作曲・指揮を担当する新作オルガン協奏曲の世界初演が行われます。この公演では、横浜に設置された美しいパイプオルガン「LUCY」がフィーチャーされ、多彩な音楽が届けられることでしょう。
パイプオルガン「LUCY」の魅力
横浜みなとみらいホールにあるパイプオルガン「LUCY」は、その名の通り、ルーシーという愛称で親しまれ、4,632本のパイプを誇る華麗な音色が特徴です。この特殊な楽器は、1998年の開館以来、数々のオルガン事業を展開しており、横浜の音楽文化に多大な影響を与えてきました。特に「オルガン・1ドルコンサート」や「パイプオルガンを弾いてみよう」といったプロジェクトを通じ、市民へオルガンの音色を広めてきたのです。
横浜とパイプオルガンの歴史
日本で初めてのパイプオルガンが1871年に横浜山手聖公会に設置されて以来、この街はオルガン文化の中心地として栄えてきました。市内の教会や学校には、多様なオルガンが建造され、今もなおその伝統が脈々と受け継がれています。横浜みなとみらいホールは、こうした歴史的背景を持つ場所であり、新たなオルガンとオーケストラによる協奏曲を発表する意義は深いものです。
阿部加奈子の新作について
本公演の目玉は、阿部加奈子による新作「風の睦(むつ)び〜オルガンとオーケストラのための3章〜」です。ヨーロッパで活躍する作曲家でもある彼女は、特に現代音楽の初演に情熱を注いでいます。この楽曲は、「風琴」とも呼ばれるオルガンの特性を巧みに活かし、横浜の変遷とそれを見守る風との関係を描き出しています。作品は3楽章で構成されており、横浜との深い結びつきが感じられるものになるでしょう。
阿部加奈子は指揮だけでなく、今回の首演には神奈川フィルハーモニー管弦楽団と共に臨みます。このアンサンブルは、2024年に初共演を果たし、良好な評価を得た経歴を持つアーティストたちです。近藤岳という有名なホールオルガニストも参加し、彼らの相互関係からもこの作品に対する期待が高まります。
フレンチ・プログラムの魅力
新作とともに、サン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付き」や、ドビュッシーの交響詩《海》などのプログラムも組まれています。これらはパイプオルガンが生み出す豊かな音色と、フランスの音楽文化に由来するフレンチ・プログラムとしても位置づけられます。
パイプオルガン「LUCY」は、様々なオルガン曲を演奏するのに理想的な設計であり、サン=サーンスの名曲と新作がどのような響きを生み出すのか注目です。特にドビュッシーの《海》は、その豊かな情景描写を表現するのにふさわしい選曲です。
公演の詳細
公演名は「阿部加奈子 指揮/作曲 横浜みなとみらいホール特別演奏会」で、会場は横浜みなとみらいホール大ホールです。入場料金は、全席指定で、S席が7,000円、A席が5,000円となっています。大学生や障がい者手帳を持つ方は、特別割引もあります。さらに、小学生から18歳までの方々は無料招待もあり、より多くの方に音楽の素晴らしさが届くよう配慮されています。
このように、横浜みなとみらいホールは新たなアートと音楽を発信する場として、地域と共に成長していくことを目指しています。今回の公演は、それぞれのアーティストが持つ独自の魅力と響き合う場となることでしょう。ぜひ、足を運んでその耳で確かめてみてください。