PK shampoo、ワンマンライブで耳を魅了した強烈なエネルギー
8月31日、東京・Zepp Shinjukuで開催されたPK shampooのワンマン公演は、圧倒的なエネルギーを持ってファンを魅了した。この日は彼らの全国ツアー「Login to PK shampoo」のファイナルにあたる特別な夜。6月にリリースしたメジャーアルバム『PK shampoo.log』を携え、全国11か所を巡ったツアーの集大成としての意味を持っていた。
ライブが始まると、フロアを埋め尽くす観客の期待感が高まり、会場にBGMとして流れる「ボレロ」が緊張感をもたらした。照明が落ち、歓声が上がる中でメンバーが登場。オープニングを飾るのは1曲目「旧世界紀行」。アルバムのテーマを体現するバンドサウンドが際立つこの曲が始まると、観客の熱い拳が上がり、ライブのテンションは一気に上昇した。
続いて披露された「天使になるかもしれない」では、フロア全体が一つとなって盛り上がりを見せ、観客の大合唱が響き渡った。ヤマトパンクスの力強いボーカルが印象的で、この日一番のアクトの始まりを感じさせた。
ライブ前半は、最新アルバムの曲を中心に構成されており、「君が望む永遠」や「死がふたりを分かつまで」といった定番曲が並ぶ。ドラムのカズキはダイナミックな演奏を披露し、ベースのニシオカケンタロウやギターの福島カイトもそれぞれのスタイルで鳴らし合い、会場の熱気をさらに高める。
ヤマトはMCで心境を吐露し、「禁酒しているのにビールを持ってきて!」と冗談を交える。観客との一体感を感じる中で彼らは曲「S区宗教音楽公論」を披露し、この夏の思い出を確かなものにしようと呼びかけた。
ライブはさらに「第三種接近遭遇」や「東京外環道心中未遂譚」と続き、印象深いシーンが繰り広げられる。ヤマトの切ない歌声が胸を打ち、観客の心をがっちりと掴む。
後半は、リアルタイムでの感情を反映させた演奏が続き、観客とのシンガロングが生まれる瞬間もあった。MCでは、彼らが主宰するサーキットフェス『PSYCHIC FES 2025』の新たな情報も発表され、ファンの期待感をさらに高める。
ライブの終盤が近づくと、激しいナンバーが連続し、会場は喜びと興奮で満ち溢れた。「SSME」では、観客全員での大合唱が響き渡り、最後の曲へと向かう盛り上がりが見事だった。
その後のアンコールでは、「ひとつのバンドができるまで」と「断章」で締めくくり、最後の瞬間に満足感を与えた。まだ観客の余韻が残る中で、再度の登場により「天使になるかもしれない」が演奏され、二度目の盛り上がりを見せながら充実したツアーを締めくくった。
PK shampooのライブは、彼らの成長が感じられる素晴らしいパフォーマンスだった。特にこのツアーでは、バンドとしてのアンサンブルや個々の演奏技術が一層磨かれ、多くのファンを惹きつける力となったことが確実に示されている。
今後の彼らの活動にも期待が高まる。
文:フジジュン
撮影:かい