八王子のシェアアトリエ『舟の上で』展の魅力
2023年、八王子芸術祭の一環として開催される『舟の上で』展が、八王子にある空間堂シェアアトリエで行われています。この特別な展示は、かつて絹織物会社として多くの人々が集った場所で、今再び新たな「舟」として再生したアトリエにて行われます。本展では、5人の作家が集まり、それぞれの視点から時間や記憶、そして日常に埋もれた感情をテーマにした作品を披露します。
参加作家の紹介
1.
イ・ヘリム
韓国出身で日本在住のイ・ヘリムは、時間と記憶というテーマを通じて、自身が漉いた紙を使用し、反復作業によって「時間」という抽象的な概念を具体化しようと試みています。彼女の作品は、日常の一瞬を捉えた層を持つ紙で構成され、その結果、見る者に感情の深みを伝えます。
2.
小野坂葉子
絣織の技法に着目し、その制約の中から生まれる色や形を探求する小野坂葉子は、伝統的な文様を大胆に織り出します。彼女の作品は、あらかじめ防染された糸を利用した技法で、織物としての新しい視覚的効果を提供しています。
3.
河﨑日菜子
織物作家である河﨑は、人の手と繊維との関わりを意識しながら作品を制作しています。彼女は空間堂のシェアアトリエの立ち上げにも携わった作家で、現在は京都を拠点に活動を展開中です。
4.
鶴見朋世
鶴見は素材の組み合わせや構造を探求し、視覚を超えた対話を目指しています。彼女の作品は、人や素材、空間の関係性をテーマとしており、余白や瞬間を捉えた詩的な表現が特徴です。
5.
松田光二
古い家屋に欠かせなかった道具や自然に存在する素材を通じて、新たな人との関係性を描く松田は、八王子のシェアアトリエで活動しています。彼の作品は、自然素材の力強さや美しさを再確認させてくれます。
展示の背景と意義
この「舟」の概念は、アトリエがただの作業場でなく、作家同士が交流し、アイデアを交わす場であることを示しています。島のように孤立しているわけではなく、集まり、共鳴し合うことによって新しいアートが生まれる過程を象徴しています。本展を通じ、訪れた人々は「つくる」ことの重要性や、この特別な空間との関わり方を再考する機会を得られます。
開催詳細
- - 日程: 毎週金曜、土曜、日曜、祝日
- - 時間: 10:00~17:00
- - 会場: 空間堂シェアアトリエ(八王子市中野上町1-26-3)
ぜひ、八王子芸術祭の一環として展開される『舟の上で』展を訪れ、作家たちが描く時間や記憶のアートを体験してください。私たちの生活に根ざしたアートが、あなたに新たなインスピレーションをもたらすでしょう。