ジャズの新たな地平を開く豪華共演！JAZZ NOT ONLY JAZZⅡの舞台裏レポート

ライブイベント「JAZZ NOT ONLY JAZZⅡ」の概要

2025年9月18日、東京国際フォーラムで開催された「JAZZ NOT ONLY JAZZⅡ」は、次世代ジャズシーンを担うドラマー石若駿が率いるバンドが、豪華なアーティストたちとの共演を実現した一夜限りのイベントです。昨年の第1回では上原ひろみら多彩なアーティストが集結し、大きな話題を呼び、今年もその期待を裏切らない内容となりました。特に、今年は会場の規模を拡大し、アメリカからのグラミー賞受賞アーティスト、ロバート・グラスパーも参加。音楽体験をより深化させるために、イマーシブ音響システム「d&b Soundscape」を取り入れたことで、聴衆はまさに圧倒的な音の波に包まれることができたのです。

スタートから魅了したThe Shun Ishiwaka Septet

イベントは、音楽評論家の柳樂光隆によるDJオープニングを経て、The Shun Ishiwaka Septetが登場。彼らは昨年仕上げた「A Love Supreme」に続き、Jon Coltraneの名曲「Transition」を披露し、細かな演奏技術とフリーのパフォーマンスでオーディエンスを魅了しました。

アイナ・ジ・エンドの妖艶なパフォーマンス

最初の特別ゲストとして登場したのは、昨年からの再登場を果たしたアイナ・ジ・エンド。黒いドレスに身を包んだ彼女は、彼女の楽曲「Frail」を艶やかに歌い上げ、続く「革命道中」ではドラムンベースのリズムに合わせてオーディエンスを巻き込みました。また、岡村靖幸を招いての「私の真心」では、二人の掛け合いが見事な化学反応を起こし、多数の観客が耳を傾けました。情感豊かなパフォーマンスにより、ライブ初めて時点でクライマックスを迎える瞬間を作り出しました。

岡村靖幸の存在感

続いて登場した岡村靖幸は、音楽的な信頼関係を持つ石若と共演し、「祈りの季節」や「Lion Heart」を披露。特に、「ハレンチ」のパフォーマンスでは、彼のみならず、観客も一体となり、場全体が沸き立つ熱気が生まれました。

中村佳穂とKID FRESINOの融合

次にスイッチされたパフォーマンスで、石若と10年来の友人である中村佳穂が登場し、自らの楽曲を即興で演奏しました。その間に中村もピアノで即興メロディを生かし、自由な演奏スタイルが際立ちました。その後、KID FRESINOとの共演も行われました。

椎名林檎の圧巻の登場

ヒートアップした後には、椎名林檎が登場。彼女は着物姿で「鶏と蛇と豚〜Gate of Living〜」を展開し、その存在感は圧倒的でした。続く「能動的三分間」では、観客が彼女の歌声に完全に引き込まれ、最後の「丸の内サディスティック」では、歌詞の英語Ver.が披露され、その優雅な歌唱スタイルは観客の心を掴みました。

ロバート・グラスパーの革命的セッション

このイベントの中で一際目を引く瞬間が訪れたのは、ロバート・グラスパーが登場したときでした。彼は「Find You」を披露し、ジャズの新たな側面を示しました。続いて行われたセッションでは、石若と彼のバンドメンバーが一体となり、圧倒的なパフォーマンスを繰り広げました。特に、グラスパーが「音楽は人生、音楽はアート」と日本語で伝えたメッセージは、多くの聴衆に感動を与えました。

アンコールのフィナーレ

イベントが終わりを迎えると、全ゲストが再びステージに集結し、椎名林檎の「長く短い祭〜In Summer, Night〜」により大団円を迎えました。全員のコラボレーションは、特別な一夜だったことを再認識させるものでした。

終わりに

この特別な夜は、日本のジャズシーンが世界に誇れる文化を再確認させてくれるものであり、国内外のアーティストが共演することにより、新たな音楽表現の可能性を感じさせる素晴らしいパフォーマンスでした。WOWOWではこの公演の模様を11月16日に放送・配信予定ですので、ぜひともご覧になってこの圧倒的な演奏を体感してください。