音楽の旅が描く日本とアイルランドの響き
来たる10月18日から11月2日まで、アイリッシュハープの名手トリーナ・マーシャルと薩摩琵琶の奏者トーマス・蘭杖による特別な音楽公演が日本各地で開催されます。この旅は、両国の古くからの文化的な繋がりを反映した、一大音楽イベントです。
アイリッシュ・ハープと薩摩琵琶、ふたつの楽器が交わることで生まれる音楽は、単なるメロディやリズムを超え、記憶や歴史を語りかけます。トーマス・蘭杖自身が語るように、これらの楽器は“声”を持ち、聴く人々の心に深く響くことでしょう。
文化的共鳴
アイルランドと日本、両国は古くから芸術の面でも深い関係性を築いてきました。小泉八雲やW.B.イェーツといった文人たちも、その共鳴を感じ取り、豊かな作品を生み出しました。今回の公演は、そのような歴史的な繋がりを音楽で再確認する機会でもあります。
プログラムのハイライト
公演は二部構成で行われます。第一部では、トリーナが彼女自身の持ち歌である「Parting of Friends」や「Garden of Daisies」といったアイルランド民謡を披露します。聴く人々に温かさと親しみをもたらすこれらの曲は、トリーナの持つ独自のスタイルで、彼女の情熱が込められています。
第二部では、伝統的なアイルランドと日本の曲が融合します。トーマスとトリーナは「さくらさくら」や「耳なし芳一」、「平家物語」といった古曲を独自にアレンジし、二つの楽器によって美しいハーモニーを楽しませてくれます。「響き合う瞬間」や「異なる静寂」への敬意を表して奏でられる音楽は、多様な文化の交流を感じさせることでしょう。
出演者のプロフィール
- - トリーナ・マーシャル(Triona Marshall)
アイルランド出身のハーピスト。古典音楽と伝統音楽の両方に精通しており、ザ・チーフタンズのツアーを経て、独自の音楽スタイルを確立しています。彼女の演奏は透明感と温かな情感にあふれ、聴衆を魅了します。
- - トーマス・蘭杖(トーマス・チャールズ・マーシャル)
1972年にアイルランドに生まれ、1994年から日本で薩摩琵琶の修練を積んでいます。現在は、日本における琵琶の魅力を広める活動を行い、国際的な音楽シーンでも注目されています。
ツアースケジュール
【鹿児島】
- - 10月18日(土):ミュージアム知覧(南九州市立博物館)
- - 10月19日(日):黎明館・講堂(鹿児島市)
【大阪・京都】
- - 10月25日(土):水無瀬神宮
- - 10月26日(日):妙蓮寺
【千葉】
各地での公演は、地域の文化や伝統を大切にしながら進行します。古来よりの響きが現代に甦るこの音楽の旅にぜひ足を運んでみてください。
結びに
この特別な来日公演は、音楽を通じて日本とアイルランドの深いつながりを体感できるまたとない機会です。心温まる音楽の旅に参加し、両国の文化を味わってみませんか?詳細については、公式サイトまたは各公演の問い合わせ先をご覧ください。