音楽の新たな可能性を開く「DUMIクラス」が始動！

一般社団法人El Sistema Connectが運営するインクルーシブ合唱団「ホワイトハンドコーラスNIPPON」は、2025年4月より新たな音楽教育プログラム「DUMIクラス」を開講することを発表しました。この取り組みは、音楽に関する新しい視点を提供する意義深い試みとなるでしょう。

DUMIとは？

「DUMI」とは、フランスの国家資格「Diplôme Universitaire de Musicien Intervenant」の略称で、音楽教育に特化した資格です。このプログラムは、音楽が得意な子も苦手な子も、参加することでその感性を引き出し、自由に表現できるように導くことを目指しています。これにより、個々の創造力を育むことが可能となります。

DUMIクラスの詳細

DUMIクラスは、5歳から小学6年生までの子どもたちを対象に実施され、予定されている全8回の授業で2つのクラスに分かれます。「コキーユクラス」は年長さんから小学3年生までを対象に9:30から10:15までの時間で、「エスプリクラス」は小学4年生から6年生を対象に10:30から11:30まで行われます。それぞれのクラスは定員20名で、障害の有無にかかわらず参加が可能であり、手話通訳などの情報保障も行われます。

授業はみらい館大明（東京都豊島区）で行われ、参加費は無料という点も嬉しいポイントです。

体験会の開催

このプログラムに興味のある方は、体験会が2024年3月27日（木）に開催されることも注目すべき点です。音楽教育の新しい形を体験する貴重な機会ですので、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

日本唯一のDUMISTE、柳澤藍の存在

DUMIクラスを担当するのは、日本唯一のDUMISTEである柳澤藍さんです。これまで彼女は、国内外で音楽教育に力を注いできました。武蔵野音楽大学器楽科ピアノ専攻を卒業後、東京芸術大学大学院で古楽を学び、さらにはフランスのストラスブール大学でも音楽教育について深く学んできました。2015年にはDUMI資格を取得し、現在はホワイトハンドコーラスNIPPONで講師として活躍しています。

彼女は、「音楽」が言葉を超えるコミュニケーションの手段であると述べています。「DUMIクラスでは、音楽が好きな子も苦手な子も共存できる場所を提供し、各々の表現力を養うことを目指しています」と語っています。

インクルーシブ合唱団の取り組み

「ホワイトハンドコーラスNIPPON」は、ろう者や難聴、全盲、弱視、車いすユーザーを含む多様なメンバーが参加するインクルーシブな合唱団です。2023年にはキッズデザイン賞を受賞し、2024年にはウィーンで開催されるバリアフリー国際賞にもノミネートされています。このような活動は、すべての子どもに音楽の楽しさを伝えることを目的としています。

音楽は、個々の表現力や創造力を高めるだけでなく、共に過ごす仲間との絆を深める力も持っています。DUMIクラスを通じて、新たな音楽の楽しみ方を学ぶ機会を得られるのは、子どもたちにとって大変貴重な経験になるでしょう。

この春から始まる「DUMIクラス」は、音楽を通じた協力や共生の大切さを教える場となり、多くの子どもたちの心を動かすことでしょう。