エジプトの小学校に日本型音楽教育を導入
最近、ヤマハ株式会社がアフリカ開発会議(TICAD9)で、エジプトの公立小学校における音楽教育を発展させるための協力覚書をエジプト教育・技術教育省と締結しました。これにより、日本の音楽教育の手法が新たな地で試されることとなります。
背景と目的
ヤマハは「すべての子どもたちに音楽を通じて豊かな人生を提供する」という理念のもとに、2015年から始まった「スクールプロジェクト」を展開しています。このプロジェクトでは、さまざまな国の教育機関と協力し、音楽教育の普及を図っています。
これまでに、マレーシアやインドネシア、ベトナムなどを含む10カ国において、425万人の子どもたちに音楽教育と楽器演奏の機会を提供してきました。エジプトにおいても、2021年11月から「エジプト日本学校」で音楽教育を試験的に導入しており、2,800名の児童がリコーダーを使用した音楽教育を受けています。
日本型音楽教育の特徴
エジプトでの音楽教育では、日本の教育システムにおける4つの分野に基づいたプログラムが提供されます。その中でも「器楽」に注力しつつ、歌唱や鑑賞、音楽作り等も組み込まれています。このように多面的なアプローチを通じて、児童たちは音楽の楽しさを感じながら成長できます。
さらに、エジプトの新たな教育方針に合致した「規律的・協働的な人材育成」を目指し、ペアワークや探究活動を多く取り入れた授業が展開されています。これにより、児童たちは主体的に学び、相互に対話しながら深い理解を得ることができます。
現在と今後の展望
協力覚書の締結により、100校の一般公立小学校において新たな音楽教育プログラムが導入される予定です。これにより、リコーダーを通じた音楽教育が全国的に普及し、より多くの子どもたちが音楽に親しむことができる環境が整備されることが期待されています。
さらに、TICAD9の際には、ヤマハの「スクールプロジェクト」に関する活動や、タンザニアでの森林資源のエコシステム構築を目指す「おとの森」プロジェクトも紹介され、国際的な音楽教育のネットワークの重要性が再認識されました。
まとめ
ヤマハの取り組みは、エジプトの教育においても新しい音楽教育のスタイルを導入する重要な一歩です。このプロジェクトが、エジプトの子どもたちに音楽や楽器演奏の喜びをもたらし、持続可能な社会を育てる一助となることが期待されています。