幻想の立体舞台
2025-12-03 18:45:47

幻想的な表現が生む独自の世界観「メタファー:リファンタジオ リーディングライブステージ」

「メタファー:リファンタジオ リーディングライブステージ」開催報告



2025年11月15日・16日に神奈川県のKAAT神奈川芸術劇場で、株式会社HIKEによる新感覚のライブパフォーマンス「メタファー:リファンタジオ リーディングライブステージ」が取材・報告された。このステージは、株式会社アトラスが生み出したRPGゲーム『メタファー:リファンタジオ』を基に、朗読、生演奏、舞踊の3つの要素を巧みに融合させた作品である。公演の2日目、11月16日(土)の模様をレポートしていく。

キャストには花江夏樹(主人公ウィル役)、諸星すみれ(ガリカ役)、小野賢章(ストロール役)、早見沙織(ヒュルケンベルグ役)、稲田徹(グライアス役)の5名が参加。さらにAyasa(ヴァイオリン)、髙月怜(チェロ)、中村有里(サックス)、紅維流星(ピアノ)の生演奏と、岡本優による舞踊、ダンサー岡﨑彩音と垣花克輝による身体表現が加わった。これにより生の表現力が大きく引き立てられ、臨場感あふれるステージが展開された。

開演前の雰囲気を盛り上げるために、ステージ上の紗幕にはアカデメイアの光景が映し出され、スポットライトが当たったスモークが厳かなムードを演出した。観客は、さながら幻想小説の中に入り込んだかのように、その瞬間から魔法のような世界に誘われていく。

物語は、ゲームの序章から描かれ始め、主人公のウィルが幼馴染の王子を助けるために王都に潜入する様子を追う。この舞台は原作のストーリーを基にしつつも、新たなエピソードを展開し、既プレイのファンであっても新鮮な驚きを体験できる内容となっていた。

朗読劇の魅力といえば、キャストによる生の掛け合いである。ウィルとその相棒のガリカが交わす会話は軽快で、彼らのキャラクターが生き生きと描かれていた。花江の持つ独特の空気感や、諸星によるガリカの温かい存在感が、二人のやり取りにふんだんに表れていた。また、細部にわたる演出が感じられる工夫もあった。

ストーリーの展開の中で、貴族という設定のストロールが登場し、小野の熱演で彼の人物像が印象深く描かれる。そこでは、朗読劇ならではの衣装の美しさも楽しむことができ、キャラクター同士のバトルシーンでは迫力満点の掛け合いが展開される。

さらに、ヒュルケンベルグとグライアスの新たな回想エピソードも見どころの一つだ。彼らの若かりし頃のやり取りは観客に笑みをこぼさせるシーンであり、早見と稲田の生の演技が心を揺さぶる。

音楽に関するこだわりも強烈で、ガリカが『この世に初めて生まれた魔法は音楽』と語るように、生演奏による音楽は舞台全体を美しく包み込み、緊張感を高める。バトルシーンではゲームの戦闘SEが加わり、臨場感を引き立てる要素として機能した。

映像演出も印象的で、紗幕を使った映像が臨場感を一層高める。戦闘時の攻撃演出などの映像は観客を作品の世界に引き込むための重要な役割を果たしていた。

結局、今回の「メタファー:リファンタジオ リーディングライブステージ」は、朗読、生演奏、舞踊の多様な表現が豊かに交差し、作品の世界観を立体的に描き出した。舞台ならではの迫力とゲーム原作の魅力が体感できる素晴らしい「ライブ」とも言えるだろう。


画像1

画像2

画像3

画像4

画像5

画像6

画像7

画像8

画像9

画像10

画像11

画像12

画像13

画像14

画像15

画像16

画像17

画像18

画像19

画像20

関連リンク

サードペディア百科事典: HIKE メタファー リファンタジオ

トピックス(その他)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。