新バッハ作品初演
2025-11-20 21:32:23

鈴木雅明が演奏する新発見バッハ作品が初公開

鈴木雅明が演奏、320年ぶりのバッハ作品の初演



11月23日、東京オペラシティ コンサートホールにて、バッハ・コレギウム・ジャパンの第169回定期演奏会が開催されます。このイベントでは、音楽監督でオルガニストの鈴木雅明が、J.S.バッハのオルガン作品の新たな2曲を演奏します。この作品は320年ぶりに発見されたものであり、今回が本邦初公開となることが期待されています。

新発見の背景



この新たなオルガン作品は、2023年11月17日にライプツィヒのバッハ資料財団が発表しました。この2曲は、ブリュッセル王立図書館に保存されていた筆写譜集から見つかったもので、長年にわたって埋もれていたものです。実を言えば、これらの作品はライプツィヒ・バッハ資料財団所長のペーター・ヴォルニー氏によって、30年以上前にその存在に気づかれていましたが、ようやくJ.S.バッハの作品であることが証明されたのです。

バッハの若き日の影響



J.S.バッハが約18歳の頃である1703年前後は、彼の作曲家としての成長が著しい時期でした。今回の2曲には、彼が南ドイツの伝統や北ドイツの技法を融合させる姿が色濃く表れています。特に、変奏とオスティナートを結びつけた構造や、カンタータ第150番《主よ、われ汝をあおぎ望む》BWV 150のチャコーナを彷彿とさせる素材が随所に見られ、バッハ特有の語法が感じられます。

発見の証拠



今回の発見に重要な役割を果たしたのは、無名のオルガニスト、ザロモン・ギュンター・ヨーンの存在です。2023年以降、ヴォルニー氏が進めている「BACH Research Portal」の調査の中で、1729年の願書が発見され、そこにはヨーンが「1705〜1707年にバッハの弟子だった」との記録が残っていました。さらに、筆跡資料との照合により、この2曲に関する写譜が彼の手によるものであることが確認され、作品の成立年代とその背景が明らかになったのです。

研究の成果



この発見により、バッハの作品目録BWVには新たに2つの番号が追加されました。これは、75年間にわたるバッハ資料財団の基礎研究の成果であり、若きバッハの音楽的な姿をさらに豊かに描き出す重要な発見と言えるでしょう。公演日は迫っており、バッハの新たな音楽の魅力をたっぷりと体感できる貴重な機会です。この機会をお見逃しなく!

詳細はこちら: バッハ資料財団公式サイト


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