茨城県で迎える被爆ピアノ最後の音色と映画上映会

茨城で受け継がれる被爆ピアノの音色

2025年、国際協同組合年を迎え、被爆・戦後80年という歴史的な節目に、被爆ピアノの演奏会および映画上映会が10月13日に行われることになりました。会場はクラフトシビックホール土浦で、この日は特別な意味を持つ一日となります。

被爆ピアノの歴史と意義

被爆ピアノとは、1945年に広島で被爆したピアノのことを指します。このピアノは、爆心地から3kmの地点で経験した爆風、熱線、放射能による影響を受けたもので、その貴重な音色は今なお多くの人々に希望を与えています。印象的なことに、このピアノは調律師の矢川光則さんによって修復され、全国の人々にその美しい音を届けるために巡回され続けています。

今回の演奏会では、矢川さんに加え、駒野将崇さんが被爆ピアノを演奏し、土浦市立土浦第二小学校合唱団がその歌声を響かせます。今年の8月に行われた茨城県合唱コンクールで全国大会の出場を決定したこの合唱団が織りなすハーモニーは、被爆の歴史を伝える重要な役割を果たします。

映画「おかあさんの被爆ピアノ」

合わせて上映される映画「おかあさんの被爆ピアノ」は、矢川さんの活動をモデルにしており、被爆2世の母から生まれた娘が被爆ピアノを通じて自らのルーツを探る物語です。この映画は、戦後の日本における家族の葛藤や思いを描いており、長い歴史を持つ被爆者の声を後世に伝える大切な働きをしています。

平和の大切さを子どもたちに

この演奏会は、被爆ピアノ全国巡回コンサートの最後のイベントとなります。1998年からスタートしたこの活動は、矢川さんが1台の被爆ピアノの修復を託されたことから始まり、以来、全国で3,000回以上の演奏会が行われてきました。彼企画のもと、子どもたちがピアノの音色を通じて平和の重要性を学ぶ機会を持てることは、次世代への貴重なメッセージとなります。