ムード歌謡の貴公子 タブレット純のリサイタル
6月9日、東京・浅草公会堂において、タブレット純によるリサイタルが開催されました。タブレットは、和田弘とマヒナスターズの元ボーカルとして名を馳せたムード歌謡の象徴的存在であり、今もなおその魅力を発揮し続けています。
会場には約1000人の熱心なファンが集まり、クリエイティブなパフォーマンスを期待して待ち構えていました。冒頭、タブレットは赤いラテン風の衣装で登場し、東京パノラママンボボーイズをバックに、代表曲「コモエスタ赤坂」を力強く歌い上げました。続いて、ラテン音楽の名曲「ベサメムーチョ」や山本リンダの「どうにもとまらない」を披露し、会場の雰囲気は一気に盛り上がりました。
また、中盤では美しい青いドレスに衣装替えし、オリジナル曲「東京パラダイス」を披露。司会者の西寄ひがしがタブレットに対し「これまで何度もブレイク寸前と噂されていますが」と問いかけると、「ブレイク詐欺と言われているが、マヒナスターズでデビューして23年、当時は七三分けでタキシードを着ていましたが、今はこんなに変わりました」とユーモアたっぷりに答え、会場のファンを笑顔にしました。
その後は、オリジナル曲「そんな事より気になるの」やシャンソンの名曲「暗い日曜日」、美空ひばりの「悲しい酒」など、多彩な楽曲を次々と披露し、ファンを楽しませました。特に印象深いのは、テレビ番組での名ナレーションを模したメドレーで、笑いとともに会場を盛り上げました。そして、第1部の最後にタブレットが作詩・作曲した「おしぼりをまるめたら」で幕を下ろしました。
第2部では、ゴールドの衣装に身を包んだタブレットが登場し、彼自身がドラムを演奏しながらアリスの「今はもうだれも」を歌いました。その後は、サプライズゲストとしてアリスのドラマー矢沢透が登場し、共に「チャンピオン」を熱唱。さらに、西城秀樹の「薔薇の鎖」や沢田研二の「危険なふたり」をメドレー形式で披露し、会場の盛り上がりは最高潮に達しました。
また、北国の名曲「母よ」や、タブレット自身が手がけた「銀河に抱かれて」を歌い上げ、第2部を締めくくりました。そして、アンコールに応える形で、歌謡浪曲「俵星⽞蕃」や、自身の過去の作品「夜をまきもどせ」も披露し、バラエティに富んだパフォーマンスで観客を魅了しました。
会場全体が一体となって盛り上がり、笑いを交えたトークで会場に温かい空気をもたらしたタブレット純のリサイタルは、音楽ファンにとって忘れがたい一日となりました。