夏木マリのブルース
2026-05-18 16:56:35

夏木マリが魅せた圧倒的な日本型ブルースの魅力

夏木マリが魅せた圧倒的な日本型ブルースの魅力



音楽は表現者・夏木マリの原点であり、彼女にとってのライフワークとも言える。今や多岐にわたる活動を行う彼女だが、歌う時には少女のような無邪気さと、奥深い感情を伴った「日本型ブルース」を感じさせる表現が際立つ。2026年5月15日からの三日間、名門ジャズクラブ・ブルーノート東京で開催されたライヴ「MARI de MODE 8」では、彼女の音楽の真髄を感じる貴重な時間が提供された。

初夏の心地よい気候の中、夏木マリは黒いゴージャスなドレス姿で登場し、「ハロー、ブルーノート!!」のかけ声で開演した。彼女のバックバンドは、音楽界の実力派揃いのメンバー。夫であり音楽パートナーでもある斉藤ノヴをはじめ、ドラムスの村石雅行、ギターの田中義人、ベースの真船勝博、キーボードの井上薫、そしてピアノとキーボードを担当する柴田敏孝が揃った精鋭チームだ。

最初の曲は夏木の芸能生活50周年を祝う「東京ブギウギ」。2023年に改編されたこの楽曲は、普段とは一味違ったジャジーな雰囲気で観衆の心を掴み、続く「お掃除おばちゃん」では、会場の熱気がさらに高まった。長年日本のトップ俳優としても知られる夏木は、その存在感から「カッコいい!」「憧れます!」という声が様々な年代から飛び交った。彼女の若々しいトークも会場を和ませ、まさに絶好調な様子だった。

「私の歌は、ただのハスキーボイスではなく、豊富な人生経験が背景にあるから、深く心に響くのです。」と語る夏木の姿からは、彼女が持つ独自の感性が垣間見えた。「鎮静剤」という曲では、人生の喜怒哀楽を表現し、聴く人々に共感を与えることに成功した。彼女の歌唱力が生み出す情感は、それはまさに日本型ブルースの本質だろう。

続く「Musician」「二の腕」「私は私よ」では、彼女の日常をもとにした日本型ブルースが披露され、観客に深い感動を与えた。また、夏木マリの歌におけるセリフの存在感は他に類を見ないもので、声優としてのキャリアがその土台となっているのだ。そして、これは彼女にしかできない歌の魔法なのだ。

ライヴの中盤に差し掛かると、乾杯の後、伝説のジャズピアニスト「セロニアス・モンク」について語る情熱的な姿勢が目を引いた。「マイナスなことを恐れない生き方」を感じる彼女の言葉は、音楽に対する愛と情熱を伝えるものだった。演奏中は観客と一体となり、ピアノの弾き語りを入れ込んで演出するなど、その瞬間に全力を注いだ。

ブルーノートは、夏木マリの音楽が色濃く反映される特別な場所。彼女のブルース感覚は、このゴージャスで親しみやすいロケーションと見事に調和していた。曲の合間には「オリジナル中心のセットリストですが、お楽しみいただけましたか?」と観客に問いかけ、盛大な拍手が返ってきた瞬間が印象的だった。

「PLAYER」は、宮崎吾朗氏によるアニメのエンディングテーマで、オリジナルの良さが際立つ一曲。さらに、ジャニス・ジョプリンの「Cry Baby」のカバーでは、彼女の魂がそのまま表現され、盛り上がりの最高潮となった。「自分らしく輝いていきましょう!」との呼びかけに、客席は歓声に包まれた。

最後の曲「60 Blues」では、人生の浮き沈みをユーモアを交えて歌い上げ、ライヴは見事なフィナーレを迎えた。アンコールでは2曲を披露し、心温まる余韻を残した。

会場には、過去のライヴで着用した衣装が並び、その洗練されたスタイルについても会話が弾んだ。夏木マリは74歳になってもロンドンや韓国での公演を成功させるなど、常に表現の幅を広げ続けている。このブルーノート公演は、彼女にとって大切な「儀式」でもあり、その意義が強く感じられた一夜となった。これからも彼女の音楽の進化に目が離せない。


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