ロイヤル・バレエ 『バレエ・トゥ・ブロードウェイ』公開記念
ロイヤル・バレエが送る最新作『バレエ・トゥ・ブロードウェイ』が9月19日(金)に公開される。この作品は、振付家クリストファー・ウィールドンの手によるもので、四つの異なる作品で構成されている。この特別なシーズンのフィナーレには、ウィールドンが創り出した『フールズ・パラダイス』が登場する。
その華やかな舞台上で、プリンシパルの高田茜は、10年のキャリアを振り返り、作品の魅力や挑戦について語った。
ウィールドン作品の魅力
高田が『フールズ・パラダイス』を踊る中で感じたのは、ウィールドンの音楽と身体表現が美しく交わる瞬間だ。彼女は「物語がない分、音楽に合わせた身体の動きが重要で、特徴的なラインを作る難しさがある」と語る。
ウィールドンの作品は独特の繊細さとドラマ性を持ち、観客を引き込む力を秘めている。「身体のラインやフレージングは、まるで音楽が流れるように感じられた」と高田は言う。
技術的挑戦と精神的成長
ダンスにおける技術は、特に『フールズ・パラダイス』では重要な役割を果たす。「アクロバティックなリフトがあり、最初は落ちてしまうこともあった。でも、練習を繰り返すうちに徐々にできるようになった」と彼女は振り返る。また、身体的な挑戦にもかかわらず、高田が特に意識したのは共演者との関係性だ。彼女は「コミュニケーションを大事にしている。口に出さないと伝わらないことが多いので、リハーサルではオープンに話し合うようにしている」と語り、チームワークを重視している。
自己受容と楽しむ心
プリンシパルとしての10年を振り返ると、高田は「当初はプレッシャーや葛藤が多かったが、今は自分を受け入れ、楽しむことが大切だと感じるようになった」と成長を感じている。彼女は心の余裕が自分のパフォーマンスにも良い影響を与えていると話す。「これからもベストを尽くしたい気持ちは変わらないが、向き合い方が変わった」とのこと。
休日と趣味
高田のプライベートでは、最近ノルウェーの結婚式に参加したり、パリに友人の赤ちゃんを訪ねたりと、普段の生活を楽しんでいる。「ロンドンでは音楽を聴いたり、友達とお茶をするなど、普通の生活を送っている。たまにはゴロゴロすることもある」と笑いながら告白した。
彼女の好きな音楽はMrs. GREEN APPLE。バーミンガムのダンサーから影響を受けたという。
観客へのメッセージ
最後に、高田は『バレエ・トゥ・ブロードウェイ』について「ウィールドンの詩的な内面性とエンターテインメント性が両方味わえる作品。多くの方に楽しんでほしい」と期待を込めて語った。
この舞台は、踊りだけではなく、観客にも深い印象を与えることだろう。
『バレエ・トゥ・ブロードウェイ』はTOHOシネマズ日本橋などで、9月19日から25日までの間限定公開される。公式サイトやSNSで最新情報をチェックして、ぜひこの特別な作品を観賞してみてはいかがだろうか。