戦時下の唱歌が音でよみがえる
近年、戦時中に国民学校で使用されていた国定音楽教科書『初等科音楽』に基づく、特別なピアノ伴奏CDが誕生しました。このCDは、唱歌を音楽教育において「音で再現する」ことを目的としたもので、全曲をインストゥルメンタルとして収録した2枚組です。
CDの内容と目的
このCDは、戦時中に実際に教科書に載っていた楽曲すべてを網羅しています。歌唱部分は含まれず、ピアノの伴奏だけが録音されているため、家庭や学校、地域イベントなどで「みんなで歌える」公式カラオケのような役割を果たします。これにより、かつて広く親しまれた唱歌を再度唱えることが可能となり、多くの人々に音楽の楽しさを提供することが期待されます。
戦後の教育と音楽文化の変化
戦後、日本の占領政策の影響で、『初等科音楽』に載っていた多くの楽曲が抹消され、その結果、戦前に歌われた多くの旋律が人々の記憶から消えてしまいました。そのため、これらの楽曲は音楽としての存在意義を失い、多くは「聴かれる機会」がなくなってしまったのです。
本CDは、そのような状況下で失われた音楽を蘇らせるものであり、戦時下の音楽教育がどのように構築され、子どもたちに何を伝えていたのかを実際に聴き、歌うことで再体験することができます。
多様な利用法
また、懐かしい唱歌の旋律は高齢者施設でのレクリエーションや、郷土史・近代史などの教育補助教材、さらにはBGMとしての利用も期待されます。このCDによって音楽が持つ力を再認識し、世代を超えて体験を共有することが可能になります。
特別収録
このCDには特典として、歌手で参議院議員の塩入清香氏による「君が代」の歌唱音源もボーナストラックとして収められています。この曲は書籍『[復刻版]初等科音楽』の巻末解説で触れられている、日本の音楽文化の「歌心」を体現する重要な一曲です。
発売情報
本CDは、発行元のハート出版から2026年1月25日に発売予定で、書籍『[復刻版]初等科音楽』と共に学ぶことで、「読む復刻」から「聴く復刻」へと音楽体験を広げることができます。戦前・戦中の音楽教育を文字や楽譜だけでなく、実際に音として現代に伝える意味深い試みであり、教育や研究、文化保存といった分野での利用が期待されています。
CD詳細情報
- - CD名:[CD版]初等科音楽
- - 仕様:CD2枚組
- - ISBN:978-4802402569
- - 本体価格:3500円(税別)
- - 発行:ハート出版
- - 商品URL:こちらから購入できます
また、現在発売中の書籍『[復刻版]初等科音楽』も合わせてご利用いただければ、より深い音楽体験が得られることでしょう。
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