楽器演奏が脳と心に与える影響
高齢者の健康と認知機能の向上を目的とした共同研究が、池部楽器店と東北大学によって行われました。楽器未経験の高齢者が参加したこの研究は、音楽セッションが彼らの心と脳にどのように影響を与えるかを探求したものです。
研究の背景と目的
日本において高齢化が進行する中で、認知症やメンタルヘルスの課題が深刻な社会問題となっています。認知症予防に音楽活動が効果的であることが広く知られていますが、楽器に触れたことのない高齢者が音楽セッションを通じてどのように影響を受けるかは、これまで浸透していませんでした。そこで、65歳から74歳の無経験者を対象にした16週間にわたるグループ音楽セッションが企画されました。
研究の方法
研究には27名の健康な高齢者が参加し、講師の指導のもとで童謡や歌謡曲の演奏を行いました。参加者はベースギター、キーボード、ドラムを使用し、セッション前後に認知機能検査及び心理機能検査を実施しました。これにより、セッション参加者の脳の認知機能と言語記憶、気分の変化を観察しました。
研究結果と意義
研究の結果、16週間の音楽セッションを受けた参加者の認知機能や言語性記憶、気分の状態は有意に改善されました。一方で、参加しなかったグループには特に変化が見られなかったため、グループで音楽を奏でることの健康への肯定的な影響が示唆されました。
この結果は、楽器演奏が高齢者の健康に寄与することを裏付け、今後の認知症予防や健康寿命の延長において新たな展望を開くものとなりました。
今後の展開
研究を受けて、池部楽器店は楽器未経験者向けのバンドレッスンプログラムの開発に期待を寄せています。音楽が生活にどのようにポジティブな影響を与えるかを再認識する機会となりました。
池部楽器店の使命
池部楽器店は「心の健康をカナデル会社」というミッションのもと、音楽の効果を広める取り組みを進めています。コロナ禍では「カナデルチカラプロジェクト」を立ち上げ、有名アーティストとのコラボレーションや無観客ライブ配信を通じて多くの人に音楽の力を届けました。
また、2020年7月18日には、脳科学の権威である瀧靖之教授を招いて「楽器が脳の若さと健康につながる」テーマで講演を開催しました。この取り組みにより、音楽が人々の心に与える影響を学ぶ機会を提供しています。
創業50周年を迎える池部楽器店は、音楽のチカラにより人々の心と体を豊かにし、社会に貢献する企業を目指し続けます。音楽活動を通じて誰もが健康で幸せな生活を送れるよう、今後も様々なプログラムを展開していく予定です。